2010年 8月の記事一覧

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10年08月31日 10時00分00秒
Posted by: izumikaikei
【質問】
結婚を機にマイホームを購入したかったのですが、どうにも予算が足りません。
そこで、両親の家に私たち夫婦の居住区間を増築することにしました。ハウスメーカーからの見積もりを見て、これなら何とかなりそうです。
税金の面で何か注意することがあったら教えてください。

【回答】
子が支払った増築費用を親が支払っていない場合、親は子から増築費用相当額の贈与を受けたものとして贈与税が課税されます。
また、増築資金に相当する建物の持分を親から子へ移転させ「共有」することで贈与税はゼロにできますが、移転した持分は子に譲渡したものとみなされ、子に所得税が課税されます。


 サラリーマンの平均年収が10年連続で減少している今、一昔前に「夢のマイホーム」といわれていたマイホームが夢のままで終わる人も増えているかもしれません。

 ご相談の方のように「親の住宅を増築して住む」というケースも増えてくることかと思います。

 このケースでは思わぬ税金が発生することになるので気を付けたいところです。

 親名義の建物に子が増築をすると、その増築部分については、民法上、建物の所有者である親の所有物となります。

 このとき、親が子どもに対して増築費用を支払っていなければ、親は子から増築費用相当額の贈与を受けたものとして贈与税が課税されます。


 なお、子が支払った増築資金に相当する建物の持分を親から子へ移転させ「共有」とすることで贈与税をゼロにすることは可能です。

 しかし、この場合、親が建物の持分の一部を子に譲渡したものとみなされ、移転した持分に相当する金額が譲渡所得として課税対象となります。

 住宅の持分を「共有」とすることが親から子への譲渡にあたるのであれば、親の譲渡所得について「居住用財産を譲渡した場合の3千万円の特別控除の特例」が使えそうな気もするのですが・・・

 実は同特例、売手と買手の関係が「親子や夫婦など特別な間柄」である場合には適用できないとされているため、このケースでは適用できません。

 ご相談の方のような場合、ハウスメーカーや工務店から、細かい税務について十分な説明をされないまま、家を建て始めることが多いように感じます。

 親子間では話し合いが早く済むため、さっさと行動に移す方が多いからかもしれませんが、親子間であるからこそ、税務には細心の注意が必要なのです。

 ご心配な点がございましたら、ぜひ税理士等の専門家にご相談ください。
10年08月24日 10時00分00秒
Posted by: izumikaikei
【質問】
育児休業を取っておりましたが、子どもを保育園に預けるメドがたったため職場に復帰します。
ただ、子どもがまだ小さいため短時間勤務を行っています。
給与がかなり下がってしまうため、育児休業前の高い水準の社会保険料などを支払うのが正直、かなりきつい状況です。

【回答】
育児休業から職場に復帰した際には、社会保険料や給付の面で不利にならないような特別措置があります。


 保育園の待機児童が社会問題化する中、子どもの出産時期によっては育児休業を目一杯とらずに保育園探しをはじめ、メドがついたらば復職するご相談の方のようなケースが増えています。

 このような場合、短時間勤務や残業をしない勤務形態を取ることも多いでしょう。給与額が減ることもあります。

 社会保険では、保険料や給付面で本人に不利にならないような制度が設けられています。

■保険料:育児休業等終了時月額変更届
 社会保険の被保険者が育児休業を終了し、本人の申し出で短時間勤務等や残業免除等を行い休業前に比べて賃金が変動した場合(育休の対象の子を引き続き養育し、3歳未満である場合)は、報酬変動が随時改定(月額変更届)に該当しない時でも、標準報酬の改定を申し出る事ができます。

 改定は育児休業終了月の翌日の属する月以後3カ月のうち支給基準日数17日以上の日の平均額を計算します。
 随時改定と異なり、固定的賃金の変動を伴わない場合や、従前の標準報酬月額との差が1等級であっても適用となります。

 改定が1月から6月にあった場合はその年の8月まで、7月から12月にあった場合は翌年の8月まで適用されます。

■給付面:厚生年金養育期間標準報酬月額特例申出書
 3歳未満の子を養育する被保険者又は被保険者であった人で養育期間中の各月の標準報酬月額が養育期間開始月の前月の標準報酬を下回る場合、申し出により、従前の標準報酬で将来の年金額が計算されるような特例措置を受けることができます。

 申請には子の生年月日や本人との身分関係が明らかになる戸籍抄本等と、養育確認のための住民票の写し等が必要です。


 ちなみに、住民税にも徴収猶予の制度があります。
 育休をとる本人の申し出により、休業中の1年以内の期間、一時に納税するのが困難であると市区町村の長が認める場合、その間は徴収免除されます。

 住民税は復帰後に延滞金とともに納税しますが延滞金は2分の1相当額(市区町村によっては全額)が免除されます。
10年08月21日 00時07分46秒
Posted by: izumikaikei
今日ご紹介するのは、「NPO法人読書サポート」さんです。読書情報の提供や読みきかせの普及・啓発事業を行うNPOです。
お話は理事の志藤由美子さんに伺いました。


■「読みきかせの活動情報の提供」に注力
-NPOの概要を教えてください。
志藤氏
「読書サポートは、2007年に『この本読んで』(財団法人 出版文化産業振興財団が出版)という情報誌の編集メンバー有志が集まって立ち上げたNPOです。

 機関紙、出版物、インターネット等を利用して、読書情報を提供したり、読みきかせの普及・啓発活動を行っています。」

-読みきかせにフォーカスしたのはなぜですか。
志藤氏
「『この本読んで』は乳幼児から園児、小学生などに対する読書啓発活動の一環として発行している情報誌です。

 情報誌の主な読者は図書館などで読みきかせを行うボランティアの方々で、以前から読みきかせに役立つ活動情報が欲しい、という要望がありました。

 NPOとしては、ボランティアの方々のニーズに応えるべく、読みきかせの活動情報の提供に注力するようになりました。」


■おはなし会を開くための具体的なアイデアが満載
-具体的な活動を教えてください。
志藤氏
「『季節別・年齢別 おはなし会プログラム』、『テーマ別ガイド 子どもと読みたい!新しい絵本1000』の2つの書籍を発行し、販売しています。

 『季節別・年齢別 おはなし会プログラム』は、季節・世代別おはなし会プログラムや絵本、手遊び・わらべうたの参考図書などの情報を紹介しています。

 どのようにしておはなし会を開くのか、のアイデアがたくさん載っており、実践的で役に立ったという感想をよくいただきます。

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 現在、読みきかせでは、いわゆるベストセラー、ロングセラーの絵本が多く使われています。
 そこで、新しい絵本を見つけていただくために『テーマ別ガイド 子どもと読みたい!新しい絵本1000』を作りました。

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 ベストセラー・ロングセラー以外にも素敵な絵本はたくさんあります。
 おはなし会の次の一冊として、たくさんの素敵な絵本を紹介できれば、と思っています。」


■有益な情報を提供し、読書推進活動を進める
-今後の活動の展望について。
志藤氏
「ある自治体では、ブックスタート事業(赤ちゃんに、絵本を開く体験と一緒に絵本を手渡す活動。地域に生まれたすべての赤ちゃんを対象に、自治体の活動として0歳児健診などで実施される)の一環として、赤ちゃんのいる家庭に『テーマ別ガイド 子どもと読みたい!新しい絵本1000』を配布していただきました。

 地域のお母様方に、大変に好評だったようです。

 絵本の情報は、読みきかせボランティア以外の方にも役に立つことを実感しました。

 今後も、皆様に役立つ有益な書籍を発行して、読書推進の一助となるべく、活動していきたいですね。」


■いずみ会計に一言!
志藤氏
「いつもお世話になっております。いつも助けていただいておりますが、今後ともよろしくお願いいたします。」

(取材協力:ライター山崎実由貴)

特定非営利活動法人 読書サポート
住所:東京都港区新橋3-14-5 S'TEC-3ビル4階
TEL:03-6459-0177
FAX:03-6459-0181
E-mail:info●dokusho.or.jp ●を@にかえてください。
10年08月21日 00時05分02秒
Posted by: izumikaikei
 2010年7月、NPO法人会計基準協議会が、「NPO法人会計基準」を発表しました。

 特定非営利活動促進法(NPO法)成立から12年。
 いまや特定非営利活動法人(NPO法人)の数は4万を超えているそうです。
 NPOに求められる役割も大きくなりつつあると実感していますが、NPO法人に会計基準がありませんでした。

 そのため、
(1)法人間の比較が不可能である
(2)資金の使途が分かりにくい
(3)専門家らの支援も受けにくい
(4)更なる税制改正の制度設計が困難
といった状況がありました。


 このような現状を踏まえて、「NPO法人会計基準策定プロジェクト」が2009年3月にスタートしました。
 NPO法人の信頼性向上を目指し、会計基準の検討を重ねること1年以上・・・。


 発表されたNPO法人会計基準の主なポイントは、以下の通りです。

(1)現金主義・発生主義の混在した収支計算書から、発生主義による活動計算書へと財務諸表の体系を変えることで、活動の実態が分かりやすくなる。

(2)無償または著しく低い価格での施設の提供やボランティアによる役務の提供について、希望する団体においては、会計に書き記すことができる。
 そのことにより、NPO特有の物の寄付やボランティアの価値を表すことができる。

(3)使途が制約された寄付金等を原則注記することで、資金提供元への会計報告が明確になる。


 この基準は強制ではなく、自主的な採用ができます。
 会計基準ができることで、統一された会計基準に基づく会計報告が可能となり、NPO法人の情報公開の向上、信頼性の向上が期待されます。


 このプロジェクトは、日本初と言える民間主体・市民参加型で進めてきました。
 会計基準の設定プロセスも、NPOらしいなと思います!

 いずみ会計では、多くのNPO法人の税務会計のサポートを行ってまいりました。
 今後もNPO法人の情報開示、信頼性の向上に、会計の面からサポートしていきたいと思っております!
10年08月10日 10時00分00秒
Posted by: izumikaikei
【質問】
売れ残った商品を社員に対して割引販売しようと思います。大体、いくらくらいで売るのが妥当でしょうか?正直、原価程度の価格で販売してもかまわないと思っているのですが・・・

【回答】
不良在庫を著しく安い値段で販売すると、社員に対する現物給与とみなされ、給与として源泉所得税の対象となることがあります。
商品が流行り廃りのあるもの(洋服など)でなければ、会社で取得した価格以上であり、かつ実際の販売価格の70%以上で販売したものについては、給与課税されません。



 社内で売れ残った商品を社員に対して値引き販売することは、ご相談の方以外でも頻繁に行われています。

 不良在庫として倉庫に眠らせておくよりも、値引きしてでも販売した方が経営的に健全です。
 社員にとっても、商品を安く入手できるのですから役得?!と言えるかもしれません。

 ただし、不良在庫だからといって、著しく安い値段で販売すると、社員に対する「現物給与」とみなされ、給与として源泉所得税の課税対象となってしまうので注意が必要です。

 社員販売を行う場合、社員に対する商品の販売価格が「会社で取得した価額」以上であると同時に、実際の販売価格の70%以上であれば、給与課税されることはありません。

 またその際、商品の値引率が全社員一律である、または、役職、勤務年数などに応じて合理的に算定されたものでなければなりません。

 ただし、販売価格については、必ずしも「実際の販売価格の70%以上」でなければならないというわけではありません。

 たとえば、衣料品のような流行り廃りのある商品であれば、いちど流行遅れになってしまうと通常価格で販売することは難しくなります。
 このような場合、在庫商品の評価損を計上することになりますが、それにより商品の原価、販売価格も低下することになります。

 結果として商品の原価、販売価額も低下するので、実際には70%を下回っていても現物給与とされないケースも出てきます。

 ところで、販売価格が安いからといって、自社商品を大量に購入する社員が出てきた場合は注意が必要です。

 一般に家庭で消費される量を著しく超える値引き販売が行われた場合には、仮に価格や値引率が適正でも現物給与とみなされることがあります。
10年08月03日 10時00分00秒
Posted by: izumikaikei
【質問】
昨今の経済状況を鑑みて、会社の財務体質改善を図っています。その中で、やむを得ず早期退職者をつのることにいたしました。
早期退職に応募した従業員には、通常の退職金より多めの退職金を支払ってあげたいと思っていますが、何か注意することはありますか。

【回答】
退職金の上乗せ部分(特別加算金)は、「社会通念上、特別加算金として適正な金額で、かつ、会社の規定に沿って算定された金額であれば損金処理できる」とされています。「社内規定に沿って計算されている」ところがポイントですから、「早期退職制度に関する規定」や「退職金支給規定」の中に、「特別加算金に関する規定」を設けておく必要があります。


 昨今の景気の影響を受けてか、ご相談の方のように、従業員の「早期退職」を実施する企業が増えています。

 早期退職は財務体質の抜本的な改善を目的として行われるもので、退職者には退職金とは別に上乗せ部分の「特別加算金」が支払われるケースが少なくありません。
 上場企業の中には、早期退職制度を実施し1人につき最大で月給27カ月分の特別加算金が支給したところもあるとか。

 退職者にとって、特別加算金は課税の対象となります。気になるのは、その所得区分や支払った企業側の税務処理です。


 特別加算金を支払った法人側の税務処理については「社会通念上、特別加算金として適正な金額で、かつ、会社の規定に沿って算定された金額であれば損金処理できる」(東京国税局)としています。

 特に、特別加算金の額が「社内規定に沿って計算されているか」という点については税務調査でも確認されることが多いので注意が必要です。

 特別加算金の支払いを実施する場合には、その下準備として、「早期退職制度に関する規定」や「退職金支給規定」の中に、「特別加算金に関する規定」を設けておくことが必要になります。

 具体的な規定の設け方などは、顧問税理士などにご相談ください。


 ちなみに、退職者にとって、支払いを受けた特別加算金は、「退職金の割増し部分に当たるため、退職所得として考えて差し支えない」(同)としています。

 退職所得であれば、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出している場合は一定の計算式で算出した所得税額が源泉徴収されますが、そうでない場合には退職金額の20%が一律に源泉徴収され、確定申告により精算することになります。
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