3日の新聞各紙で、「政府税制調査会が来年度税制改正答申に消費税率の早期引き上げを盛り込む方向で一致した。」という記事が載っておりました。ただし、引き上げ時期や引き上げる税率については、今後の検討課題になるようです。ただし、7月の参議院選挙での与野党逆転で法案成立は現時点では困難な情勢で、引き上げの検討が必要との見解が示されるにとどまる見通しだそうです。

 記事の中には、税収の使途を年金や医療、福祉に限る案や、食料品等生活必需品には低い税率をかける複数税率の案が出ているそうです。
 
 個人的な見解ですが、年金等の使途に限る案では、現時点で健康保険や介護保険等は、今かかる費用を皆で負担し合って成り立つようにとの考えで保険制度となっていること、年金制度では、社会保険庁のずさんな管理や数々の横領ということを考えると、お金がないからすぐ増税というのはいかがなものか、という気がします。また、複数税率については、どこで線引きをするのか、事業者の経理事務の負担やグレーゾーン(法の抜け穴)を利用した不正が出ないか、ということを考えると、昔の物品税のような形を含めて議論が必要なのではないかと感じます。

 仮に消費税率が上った場合、今は商品等の金額は総額表示制度が導入され、一般の店頭の値札等はすべて税込み表示となっていることから、中小企業や個人商店等は消費税率の増税分を価格転嫁がしづらく、その結果粗利益が減ってしまうことになるでしょう。戦後最長の景気拡大と言われておりますが、中小企業にとってはまだ不景気感が無くなっておりません。増税で苦しむことになるのは、給与所得者だけでなく、むしろ中小企業の経営者になると思うと、中小企業の事業の発展を応援する立場での意見ですが、増税より支出の見直しに重点を置いていただきたいと感じずにはいられません。