ビッグデータビジネスでは、膨大なデータをどのように分析するのでしょうか。身近な事例として、日本でいま一番勢いがあるアイドルグループ、AKB48関連の事例を紹介しましょう。

 AKB48は、年に一度、人気投票「総選挙」を開催しています。この総選挙の注目点の一つは、上位16位にどのメンバーが入るかにあります。今年、あるベンチャー企業が、ビッグデータを活用することで16人中15人を見事に的中させました。
 
 この会社がとった分析方法は次のようになります。まず、インターネット上にあるブログやTwitter、掲示板などを調べ、メンバー一人ずつ、書き込みがあった件数やその評判を入手。次に、メンバーのテレビ番組・CM出現時間、AKB48公式サイトのアクセス数などのデータを集めました。 ここから、最終得票数を算出するための方程式を導き出し、予測したといいます。商品の人気予測なども、同様にネット上のデータを収集、解析という手順で結果を導くことができます。 

 ただし、ビッグデータには課題もあります。なかでも、頭の痛い問題は「個人情報保護」です。グーグルは動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」を運営していますが、ビッグデータビジネスでは、ユーザーが閲覧した動画の履歴が使われることがあります。
 
 中には、このような企業の行為はプライバシーの侵害にあたると感じる人もいるようです。ユーザーの理解をどのようにして得るか。企業がビッグデータビジネスと称して、個人の履歴を活用するには、どこまでが許される範囲か、今後、多くの議論が必要になりそうです。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)