情報化が進み、人が移動しなくてもネット回線等を使って商談は進むようになりました。また自宅にいながらにしてお金の決済を行うことができるなど、ますます便利でスピードが求められる社会に移行しています。ただし、「モノの移動」はどんなに情報化が進んでも、なくなることはありません。同時にネット商売が盛んになればなるほど、注文された品を、いかに正確に早く、受け手の要望に応える形で配達することができるかということが、ますます重要になってきています。

 国土交通省の研究会資料によると、物流事業者からみた高コストの問題点として、人件費(米国の1.5倍)、燃料費(同2.4倍)、自動車関係諸税(同2.5倍)、高速料金(日本は大型車1km当たり約40円、欧米は無料)が考えられるとされ、例えば、東京・青森往復の輸送コストは約16万円ですが、内訳は人件費4割、車両維持費2割、燃料費等2割、高速料金2割であり、これ以上のコスト圧縮の余地は少ないことが説明されています。

 現在の金額は積みおろし待ち時間、バルク荷役時間、渋滞手待ち時間等の諸コストが人件費に上乗せされて基本料金に包含され、全ユーザーが均一に負担している状況にあります。

 そのため、他社との差別化を図るため、荷主である顧客側の満足の最大化とコストの最小化を実現する生産・販売・物流革新が求められるようになり、物流各社だけでなく、ロジ関連のシステム開発メーカーなどが旧態依然とした運送方法の見直し、物流のバッファーの部分を顧客が負担する旧来の方式の見直し、IT技術の徹底した導入など、様々な工夫を始めています。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)