会計検査院は、消費税の簡易課税制度について検査結果を公表しました。
 それによりますと、検査の対象とした法人・個人事業者である約4,700事業者の約8割が簡易課税制度を利用したことにより、納付消費税額が低額となっており、総額約21億円のいわゆる益税が生じていることが明らかになりました。
 会計検査院では、「現行制度のまま消費税率が引き上げられれば、益税は増大していく」との懸念を示しております。

 そもそも簡易課税制度とは、売上高に事業区分に応じたみなし仕入率を乗じて仕入高とみなすことにより、売上高だけから納付税額を計算する制度で、課税売上高が5,000万円以下の事業者に認められております。
 実際の仕入率を計算するのが困難な中小企業の事務負担に配慮して設けられた制度ですが、仕入率を計算できるにもかかわらず、本則課税の場合と比較して、簡易課税制度の適用を判断している事業者が多いとの指摘があります。
 そこで会計検査院は、法人・個人計2,031事業者について、決算書等を基に課税仕入率の平均を試算しました。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成25年3月11日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。