(前編からのつづき)

 調査件数の減少により、申告漏れ所得金額の総額は減少していますが、1件当たりの申告漏れ所得は増加しております。
 事例では、解体・運搬業を営む事業者Aは、震災復興により売上が急増し、多額の所得を得ていたにもかかわらず、架空経費を計上し適正な申告をしていませんでした。

 その震災以降の所得は、申告を行っていたものの、その申告された所得が低調と想定されたほか、震災以前にも同様に事業を行っていながら何ら申告していなかったことから、申告義務があるものと想定され、調査が行われた結果、
①震災以前の年分は、多額の利益を得ていて申告の必要性を感じながら申告していなかった
②震災以降の年分は、売上が急増したため、税務調査を危惧して申告したものの、架空外注費を計上したものであり、複数年にわたり、不正に所得税及び消費税の課税を免れていた
 結局、5年分で申告漏れ所得は約1億2,000万円、約4,000万円の税額(加算税込み)と消費税額(同)約1,300万円が追徴されております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成25年12月26日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。