自動車メーカー各社の国内販売数は、消費増税前の1~3月、軒並み前年度を大きく上回って推移したようです。税負担を減らすために駆け込み購入をした人の多さがうかがえます。しかし、旧税率で購入した車所有者にも、増税による負担増は押し寄せています。

 自動車ユーザーは「買う」「持つ」「走る」というカーライフの全てのシーンで税金を負担しています。取得段階では自動車取得税と消費税、保有段階では自動車税や軽自動車税、自動車重量税、使用段階ではガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)、軽油引取税、石油ガス税、消費税がそれぞれ掛けられます。消費増税は取得時以外にも影響するのです。
 ガソリンには、本体価格にガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)が加算され、その合計額にさらに消費税が課税されます。そして、石油石炭税にCO2排出量に応じた税率を上乗せする「地球温暖化対策のための税」が今年4月1日、つまり消費増税と同日に引き上げられました。このためガソリン価格は上昇しています。
 さらに、高速道路の利用料も増税の影響を受けています。消費税増税に伴う上乗せが実施されたほか、自動料金収受システム(ETC)搭載車両への割引制度は、地方部での普通車の平日深夜割引を5割から3割に変更するなど、全体的に縮小されました。

 このほか、駐車場の利用料や車の周辺パーツ代なども値上げされています。〝クルマ持ち〟の肩にはあらゆる負担がのし掛かっているのです。
税制改正では、クルマに関する減税策も用意されています。自動車の取得時にその価格に課税される自動車取得税(地方税)は、4月の消費税率の引き上げにあわせて軽減されました。消費税率10%時には廃止の予定です。ただ、取得税廃止による税収減の穴埋め策とみられる軽自動車税増税が税制改正に盛り込まれているため、消費増税分を相殺する減税策とはいえないようです。
<情報提供:エヌピー通信社>