任意の自治体に寄付をして税額控除を受けられる、いわゆる「ふるさと納税」を平成24年中に利用した人の数は震災前の3倍、寄付金額も震災前の約2倍となったことが分かりました。

 総務省の発表によると、同制度の24年中の利用者は10万6446人、寄付金額は約130億1128万円でした。前年に比べ利用者数は約7分の1、寄付金額は約5分の1と共に大幅に減少したものの、この背景には23年3月に発生した東日本大震災で被災した自治体に支援するため、前年の寄付が伸びたことがあるとみられます。

 復興の応援ができるとして同制度が注目された23年は、利用者数74万1677人、寄付金額約649億1490万円と大幅な伸びで過去最多を記録。24年はそこから大きく落ち込みましたが、震災前年までの各年と比べると、利用者数は7万人増で3倍、寄付金額も約65億円増と倍加しており、被災地支援を通じて同制度がより周知されるようになったものと言えそうです。

 ふるさと納税は平成20年に創設された制度で、個人が同制度を利用して都道府県や市区町村に寄付した場合、最大で寄付金額から2千円を引いた金額を所得税と住民税から税額控除できます。法人が利用した場合、支出は「国、地方公共団体に対する寄附金」に含まれ、全額損金算入扱い。寄付金の用途を地域振興や環境保全などに限定している自治体も多く、個人のみならず自社のCSR(企業の社会的責任)アピールに活用する企業がこれから増えるかもしれません。
<情報提供:エヌピー通信社>