では、2013年に一部改正がなされた中小企業基本法はどのような特徴を有しているのでしょうか。

 第一に、中小企業基本法の基本理念に小規模企業の意義を規定した点があげられます。具体的には小規模企業の意義として、「地域における経済の安定並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進に寄与する」とともに「将来における我が国の経済及び社会の発展に寄与する」ことが謳われています。

 第二に、小規模企業に焦点をあてた中小企業政策の再構築が図れている点があげられます。具体的には小規模企業への配慮規定であった第8条を「小規模企業に対する中小企業政策の方針」と改め、今回の改正で新たに「適切かつ十分な経営資源の確保を通じて地域における小規模企業の持続的な事業活動を可能にするとともに、地域の多様な主体との連携によって地域における多様な需要に応じた事業の活性化を図ること」、「小規模企業がその成長発展を図るに当たり、その状況に応じ、着実な成長発展を実現するための適切な支援を受けられるよう必要な環境の整備を図ること」が規定されました。

 第三に、女性や青年による創業の促進、海外における事業展開の促進、情報通信技術の活用の推進、事業の承継のための制度の整備など中小企業政策として今日的に重要な事項が規定されています。

 このような2013年の中小企業基本法改正を受けて、関係する個別法律において小規模企業の範囲の弾力化が図られていることから、今後どのような小規模企業振興策が打ち出されていくのかが注目されるところです。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)