国土交通省の平成26年版「土地白書」によると、日本版不動産投資信託(Jリート)の動きが活発化しているそうです。

 Jリートとは、投資家から集めた資金で不動産を購入し、その不動産からの賃貸収入や売買利益を投資家に分配する金融商品。Jリートが25年に取得した物件数は453件と4年連続で増加していて、取得物件数全体に占める割合は37%となりました。海外投資家もJリートに強い関心を寄せており、海外投資家の売買実績は、売却金額、購入金額ともに24年の約1兆円から約3.1兆円と1年で3倍の規模に増加しました。

 アンケート調査の結果によると、日本の不動産に対する投資額を「今後増加させる」と回答した海外投資家の割合は41.1%で、北米や欧州の投資信託よりも多くなっています。Jリート市場の動向は、今後市場全体に大きな影響を与えていくことになりそうです。

 このほか、全国の地価を見てみると、引き続き下落しているものの下落率は大きく縮小しており、上昇へ転換した地点も大幅に増加していることが白書では報告されています。また、景気の持ち直しや住宅ローン減税などによる住宅需要拡大によって、すべての都道府県で、地価の下落率縮小や上昇への転換が見られました。25年中の新設住宅着工戸数は98万25戸と前年比11%増で、4年連続の増加。さらに賃貸オフィスも、東京23区(10~12月期)の空室率は6.3%で4期連続で減少。改善の傾向が見られています。こうした動きが持続的に広がっているとして白書は「日本は資産デフレを脱却しつつある」と現在の状況を総括しました。
<情報提供:エヌピー通信社>