少額投資非課税制度(NISA=ニーサ)が今年1月にスタートしてからの3カ月間での専用口座の開設数は約175万口座となり、「非課税適用確認書」の交付申請手続開始の前後(平成25年10月)から1月1日までに開設されていた約475万口座と合わせ、3月末時点での総数は約650万口座となったことが金融庁の発表で分かりました。調査対象はNISA取り扱い金融機関686法人。

 今年1月1日の制度開始時点では474万7923口座でしたが、3カ月間で37%増加し、650万3951口座となったそうです。年代別では60歳代が187万4228口座で最も多く、70歳代が149万993口座、50歳代が107万8784口座と続きます。60歳代以上の割合は59.8%でした。一方、20歳代は20万9144口座、30歳代は50万1895口座で、30歳代以下の割合は10.9%と、若年層の利用は低い実態が明らかになりました。

 金融庁は、FP・証券営業員らを対象にしたNISA利用者に関するアンケート調査の結果も公表しています。
 5月7日~18日にインターネット上で9727人を対象に実施された調査によると、NISAを利用した投資に積極的であるとFP・証券営業員が感じる年齢層は、口座開設割合からうかがえるように60歳代以上が大多数で、全体の7割を超えました。一方で、20~30歳代の方が積極的と感じた人は1.1%に過ぎませんでした。また、投資経験別では、投資経験豊富な顧客が積極的と感じた人は61.6%。反対に経験の浅い顧客の方が積極的と感じたのは12.8%でした。現状ではNISAは、投資家を増やす一手としては不十分だったといえるかもしれません。
<情報提供:エヌピー通信社>