2011年 8月の記事一覧

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11年08月25日 14時06分06秒
Posted by: nakagawa
会社を経営していると、時には順風満帆といかない場合もでてきます。

特に、今回の震災後にあっては、直接被害がなかった会社であっても、間接的な影響は避けられないところが多く、今までより経営も振るわない・・・このような状況の会社も少なくありません。

決算書上の赤字は、税法上では「欠損」と呼ばれます。

この「欠損」ですが、翌年以降、最長7年まで引き継げることを御存知ですか?

欠損金を繰り越すと、その翌年に業績が回復して黒字に戻ったときでも、繰り越した欠損金と相殺して税務上の所得を少なくしたり、ゼロにしたりすることができるのです。(欠損金の繰越控除といいます。)


欠損金は、欠損を出した事業年度で青色申告書を提出している法人であれば、繰り越すことが出来ます。

但し条件があり、欠損を繰り越す間は連続して申告書を提出していなくてはなりません。

また、翌期へ繰り越せるのは、当期より6年以内の事業年度分の欠損金になります。

当期より7年前の欠損金ですが、

黒字と相殺できずに残った場合は「切り捨て」となり、もう繰越できません。

欠損金は、いちばん古い事業年度から相殺してゆきますので、今年で期限切れになってしまう欠損金があるなら

使ってしまわないと損です。

なお、災害による損失金の繰越しは、青色申告書を提出しなかった法人であっても、7年間の繰越が認められています。

災害の範囲は、「自然現象の異変による災害」「人為による異常な災害」「生物による異常な災害」とありますので、

今回の震災による損失繰越しも当然ながら該当します。



法人だけでなく、個人事業主でも欠損金は繰り越せます。

但し、法人と違い、期間は翌年以後3年間になり、純損失と雑損失の金額の範囲内での繰り越しとなります。

個人の場合でも、「青色申告の届出書」をちゃんと提出し、繰り越すための条件として、

損失に関する事項を記載した”確定申告書”を、申告期限内に提出していることが条件です。

また、青色申告者については、前年分も青色申告書を提出している場合は、純損失の繰越ではなく、

純損失の金額の全部または一部を前年分の課税所得から差し引いた段階で前年分の所得を計算し直して、税額の還付を受けることもできます。

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11年08月11日 17時17分51秒
Posted by: nakagawa
夏休みもたけなわとなり、高校生をアルバイトとして雇い入れる機会も多いかと思います。

今回は、高校生をアルバイトとして雇用する際の注意点について触れてみたいと思います。

そもそも労働基準法では、満20歳未満の者を、以下のように区分しています。

満20歳未満の者・・・・・・未成年者
満18歳未満の者・・・・・・年少者
満15歳に達した日以後の、最初の3月31日までの者・・・・・・児童
このうち「児童」については、原則として労働させてはならないことになっています。

また、ほどんどの高校生が該当する「年少者」についても、一定の規制が設けられています。雇い入れにあたっては、労働基準法における「年少者を雇用する際の遵守事項」を、理解しておく必要があります。

具体的には、

① 年齢確認と、年齢を確認できる書類をもらっておくこと

高校生を雇い入れる際、本人と会社との間で雇用契約を結ぶことになりますが、その際に併せて「親権者の同意」を得ておく必要があります。

また、会社には年齢を確認できる書類を備え付けることが法令で義務付けられていますので、雇い入れる前に先ず年齢確認をしておかなくてはなりません。

年齢を確認できる書類の備え付けが無かった場合、30万円以下の罰金が設けられています。



② 労働時間に関する規制について理解しておくこと

実際に高校生に仕事をさせる場合、労働時間に関する規制を確認し、その範囲内で勤務させる必要があります。

1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて勤務させることはできません。

また、変形労働時間制やフレックスタイム制を適用することも、認められていません。

残業については、いわゆる36協定を締結して労基署に届け出た上での、時間外労働や休日労働は認められていませんが、以下のいずれかに該当する場合には、例外的にOKとされています。

・1週間の労働時間が40時間以内であり、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮すれば、同一週内の日について労働時間を10時間まで延長可能
・1日8時間、1週間48時間以内であれば、1ヵ月または1年単位の変形労働時間制を適用可能

また、高校生は深夜労働も原則として禁止されています。

(深夜労働とは、午後10時~午前5時までの労働を指します)

但し、交代制で勤務する満16歳以上の男性など、一部については例外が認められています。
11年08月03日 10時03分40秒
Posted by: nakagawa
「会社」と聞いて、まず思い浮かぶのは、「株式会社」ではないでしょうか。

新しく会社を設立しようか・・・と思案しているときに、頭に浮かぶのもやはり、「株式会社」が一番多いのではないかと思われます。

実際は、株式会社のほかに、合同会社など、他の形態の会社も存在します。

これから会社を設立しようかと思われる方にとって、採用すべき会社の”種類”の選択については、悩ましいところでしょう。


旧・商法の時代、いわゆる「会社」のタイプは「株式会社」、「合名会社」、「合資会社」、あとは有限会社法に基づく「有限会社」の4種類しかありませんでした。

ところがここ最近、「合同会社」という言葉も聞かれます。

平成18年5月、新・会社法が施行され、新しい会社のタイプとして「合同会社」が定められ、有限会社制度は廃止されて株式会社に統合されました。

「廃止」といっても、新たに設立することができなくなっただけで、会社法施行前に既に存在している有限会社は

「特例有限会社」として、今まで認められていた有限会社としての内容で変わりなく存続できます。

では、新しく出来た「合同会社」とはどのようなものでしょうか?

そもそも、会社法における会社のタイプとして、所有と経営が分かれているか否か?により、

大きく2つに分けられます。

株式会社や特例有限会社は、所有と経営が分かれている形態といえるでしょう。

所有と経営が分かれてなく、出資者=社員それぞれが業務執行を行う「業務執行権」に基づいて 運営される形態(持分会社といいます。)として、

「合同会社」の他に、「合名会社」「合資会社」があります。

合同会社は、出資者の有限責任や内部関係の規律にあたり、対内的には民法上の組合法理が適用される会社となっています。

分かりやすく言うと、合同会社は、社員(=出資者)は出資額までの責任しか負わず、株式会社のような機関設計まではしなくてよい会社です。

専門知識などを持っている少数の出資者が集まり、その知識などを活用して自らが経営を行うような会社・・・

このような会社の設立に向いているといえます。

「合名会社」は、出資者=社員の責任が、直接無限責任である会社です。

「合資会社」は、出資者=社員の責任が直接無限である「無限責任社員」と、直接有限である「有限責任社員」と両方が存在する会社です。

無限責任社員は、合名会社の社員と、立ち位置的には同じといえます。

有限責任社員は、出資額までしか責任を負いませんが、会社債権者に対しては「直接責任を負う(無限で責任を負う)」こととなっています。

合名会社も合資会社も、資本金の制度が無く、出資は信用・労務や現物出資でもOKとされており、比較的設立コストが安いのがメリットである反面、

「直接無限責任」という言葉に代表されるように、「出資者=社員が会社債権者に対して直接責任を負う」、

つまり、事業が行き詰ったり失敗したときには、「無限に責任を有する社員」である出資者の全ての資産に及ぶのがデメリットといえます。

合同会社の場合、「間接有限責任社員」のみで構成されているので、個人的に連帯保証人や担保提供者等になっていない限り、出資額以上の責任を負うことはありません。

また、会社法施行前から有限会社を設立している「特例有限会社」の経営者にとっては、株式会社とどう違うの?

という疑問を抱かれるかと思います。

特例有限会社→株式会社への組織変更のメリットとしては、やはり対外的信用が上がること(取引先口座を開設する際に”株式会社であること”を条件とする企業も実際にはあったりします)や、

株式公開の可能性が開けたり、吸収合併するさいの存続会社になれる(特例有限会社のままでは存続会社にはなれません)・・・などが挙げられます。

ただ、株式会社にすることにより、一定のコストがかかったり、取締役・監査役の任期を定めなくてはならなかったり、決算公告が義務付けられていたりしますので、その点に関しては注意が必要です。

参考までに、会社の種類と規制との関係を表にまとめましたので下記を御覧下さい。
会社の種類
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