2.0 贈与に課税する理由

贈与税は相続税の補完税であると言われています。

人が亡くなった時は、その人が残した財産に対して相続税が課税されますが、将来相続人になる人に、生前にすべての財産を贈与しておけば、贈与者が死亡した時には課税される相続税の対象財産が無くなり、相続税を納めなくても済むようになります。

それを防ぐため、贈与をした場合には、贈与によって減少する相続税額を補完するための課税の仕組みと言われています。

 

2.1 贈与に対する課税関係

贈与する側ともらう側の関係により下記のようになります。

1.     個人から個人への贈与の場合

贈与を受けた人に贈与税がかかる(死因贈与の場合は相続税)。

2.     個人から法人への贈与の場合、

     贈与を受けた法人は時価で財産を受け取ったものとして受贈益を計上することとなり、法人税がかかる(法人税法222項)。

     贈与者である個人は時価で財産を譲渡したものとみなされ、当該財産の取得価額と時価との差額について所得税が課税される(みなし譲渡益課税、所得税法59条)。

3.     法人から個人への贈与の場合

     受贈者が当該法人の役員・従業員であれば給与所得

     それ以外の場合は一時所得として所得税が課税される。

     贈与者である法人は時価で財産を譲渡したものとみなされ、贈与した財産の取得価額と時価との差額を売却益として計上する必要があるほか、借方は役員賞与・賞与・寄付金となるため、会計上の費用にはなるが税法上損金とならない場合があり、この場合には法人税に影響がでる。

4.     法人から法人への贈与の場合、

     贈与者は売却益を計上、

     受贈者は受贈益を計上し、

それぞれ法人税の対象となる。

5.     個人から、一定の公益法人等への贈与および同族会社への贈与などには上記の原則に対する例外が定められている。