平成24年分 年末調整の仕方 2 手順編
Ⅱ 年末調整の手順
1 源泉徴収簿の作成と年税額の計算
① 源泉徴収簿の記載
源泉徴収簿に毎月の給与、給与から天引きされる社会保険料、算出税額を記入します。
前職者の給与や賞与、現物給与は忘れがちなので記入漏れがないよう注意します。
    源泉徴収簿に記入が終わったら、月別に合計して、給与の支給総額、社会保険料総額、源泉徴収税額を合わせて、点検するとよいです。
② 「平成24年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」(以下「早見表」と言う。)にあてはめて、より給与所得控除後の給与等の金額を求めます。
③ 社会保険料、保険料控除申告書、配偶者特別控除申告書、扶養控除等申告書に基づいて各種の所得控除の金額を求め、源泉徴収簿に転記します。
提出された各申告書の内容や計算に間違いがないかどうか必ずチェックします。
④ 給与所得控除後の金額から所得控除額の合計額を控除した金額が課税所得金額です。
⑤ この金額に税率(所得税額の速算表参照)を掛けて1年間の税額を算出します。
⑥ さらに、住宅借入金等特別控除がある場合には、住宅借入金等特別控除申告書で計算した控除額を控除し、年税額が確定します。
2 昨年と変わった点
(1) 生命保険料控除が改組されました。
   次のイからハまでの控除額により計算された合計適用限度額が12万円となりました。
具体的な計算は生命保険料控除申告書の計算式に当てはめて計算してみてください。
 ① 平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る控除
イ 平成24年1月1日以後に生命保険会社又は損害保険会社等と締結した保険契約等(以下「新契約」といいます。)のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に基づいて支払った保険料等(以下「介護医療保険料」といいます。)について、介護医療保険料控除(適用限度額4万円)が設けられました
ロ 新契約に係る一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額は、それぞれ4万円とされました。
ハ 上記イ及びロの各保険料控除の控除額の計算は次の表のとおりとされました。
















支払った保険料等の金
控  除  額
20,000円以下
支払った保険料等の全額
20,001円から40,000円まで
(支払った保険料等の金額の合計額)×1/2
+10,000円
40,001円から80,000円まで
(支払った保険料等の金額の合計額)×1/4
+20,000円
80,001円以上
一律に40,000 円
ニ 新契約については、主契約又は特約それぞれの保障内容に応じ、その保険契約等に係る支払保険料等を各保険料控除に適用することとされました。
② 平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る控除
平成23年12月31日以前に生命保険会社又は損害保険会社等と締結した保険契約等(以下「旧契約」といいます。)については、従前の一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除(それぞれ適用限度額5万円)が適用され、各保険料控除の控除額の計算はそれぞれ次の表のとおりとなります。
















支払った保険料等の金
控  除  額
  5,000円以下
支払った保険料等の全額
25,001円から50,000円まで
(支払った保険料等の金額の合計額)×1/2
+12,500円
50,001円から100,000円まで
(支払った保険料等の金額の合計額)×1/4
+25,000円
100,001円以上
一律に50,000 円
③ イ・ロ両方の適用を受ける場合
新契約に基づく保険料等と旧契約に基づく保険料等の両方の支払について一般生命保険料控除又は個人年金保険料控除の適用を受ける場合には、上記⑴ロ及び⑵にかかわらず、一般生命保険料控除又は個人年金保険料控除の控除額は、それぞれ次に掲げる金額の合計額(上限4万円)とされました。
イ  新契約に基づいて支払った保険料等につき、上記⑴ハの計算式により計算した金額
ロ 旧契約に基づいて支払った保険料等につき、上記⑵の計算式により計算した金額
(2) 「納期の特例」の承認を受けた源泉徴収義務者の7月~12月までに支払った給与等から徴収した源泉所得税の納期限が、翌年1月20日となりました。
※ 詳細は税務署から配布される「年末調整のしかた」・国税庁のHPをご参照下さい。
3 過納額の還付と不足額の徴収
①過納額の還付
年末調整によって計算した年税額よりも預かっていた源泉徴収税額が多い場合には、12月の給与の支払い時等に、その過納額を本人に還付します
②不足額の徴収
年末調整によって不足額が生じたときは、12月の給与の支払い時等に、その不足額を徴収します
4 納付書(所得税徴収高計算書)の書き方
① 本年最後に支払う12月分給与(賞与)の源泉税を徴収しないで年末調整をした場合
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② 年末調整により過納額(年末調整による還付額265,500円)が12月中の源泉税徴収税額(228,000円)を超えるため、納付する税額が無い(0)の場合
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5 徴収税額の納付
① 給与や報酬について源泉徴収した所得税額は、支払いをした翌月の1月10日までに、所定の納付書を使って国に納付しなければなりません。
② 納期の特例の承認を受けている場合
1月から6月までの分は7月10日
7月から12月までの分は翌年1月20日(平成24年税法改正で20日となりました。)
③ 還付が多額のため納付税額が0となる場合には、納付書は0金額で税務署に直接提出または郵送しなければなりません。