2011年 8月の記事一覧

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11年08月19日 14時13分14秒
Posted by: zeihon
東京国税局は、金融商品取引業者からの事前照会に答え、会社型投資信託から契約型投資信託への移行した場合の個人投資家にかかる所得税の取扱いについて見解を示しました。
 投資信託は、会社型と契約型とに大きく分けられます。契約型とは、運用会社との信託契約で、運用益の配分の受益権を得るもの。一方、会社型とは、投資の受け皿となる法人に出資し、投資法人の持分を持つもので、不動産投資信託(REIT)などがこの形態により運営されています。会社型投信の証券は株券の形態をとることから、証券取引所へ上場されていることも多くあります。

 今回照会されたのはこの形態が証券の所有期間中で変わった場合です。照会者は、アイルランド証券取引所に上場している外国籍の会社型投資法人の証券を日本で募集している会社。このアイルランドの投資法人が臨時株主総会で、この会社型投資信託を日本の契約型投資信託に移行した上で上場廃止、解散することを決定しました。そして、投資家が所有する会社型の投資証券を消滅させる際の対価として、契約型投資信託の受益権や現金を交付することとしました。

 東京局は、この事例で投資証券を所有している個人投資家の所得税の課税関係について、照会者の金融商品取引業者の示した見解を認めました。具体的には、個人投資家が受ける消滅する会社型投資証券の対価は、投資法人の資本金額のうち所有する投資証券に対応する部分の金額を超える部分の金額は配当等とみなし、その配当等とみなされる部分の金額を除く部分の金額は、株式等に係る譲渡所得等の収入金額とみなすというものです。

 そして、この譲渡所得に対する税率については、「上場株式等に係る譲渡所得等に対する税率の特例措置」の適用ができるとし、配当等とみなされる部分の金額に係る配当所得に対する税率についても、「上場株式等に係る配当所得に対する税率の特例措置」の適用があるとしました。
<情報提供:エヌピー通信社>
11年08月19日 14時11分51秒
Posted by: zeihon
行政不服審査制度は、違法・不当な処分などで行政庁に不服がある場合に、行政機関にその旨を申し立てる制度のことをいいます。訴訟と比べて手続きが簡素で費用が掛からないという利点がある一方で、審査をするのが基本的に行政自体であるため、公平性に欠けるという問題点が常に指摘されています。

 こうした問題を解消するため、政府の行政救済制度検討チームは、中立な立場で審査する「審理官」の創設を検討しています。さきごろ行われた会合では、審理手続きの公平性を高める観点から、「弁護士、税理士等の外部人材の登用が適当」と明記。これによって審理官制度が具体性を増しています。
 さらに、60日という審査請求期間も延長される見込みです。延長期間はまだ決まっていませんが、行政事件訴訟法の出訴期間である6カ月にする案など、3~12カ月に延長することで話が進められています。こうした改正で国民の権利・利益の救済機会を拡充する狙いです。

 今後新たに論点整理をしたうえで、9月までに国民からの意見募集や各府省・関係団体への照会を行い、11月に結論をとりまとめる予定となっています。
11年08月15日 16時16分50秒
Posted by: zeihon
◆3党合意をうけて今年から創設適用
 6月30日公布された3党合意23年度税制改正法の目玉は、年金者の申告不要制度でしょう。
 毎年の早春の喧騒を彩る所得税の確定申告の風物詩は、10数年前から「自書申告」のスローガンのもと、年金所得者の申告手続の急増に備えていました。今年からは、それを更に進化させて、「申告不要」ということにしてしまいました。

◆申告不要制度の対象
 年金のすべてについて申告除外ということではありません。制度創設の趣旨は、年金者への利便を唱ってはいても、行政サイドの少額多数者対象事務コストの削減です。
 年金者でも高額少数者に対しての申告義務の解除はまったく予定していません。その線引きは、
 ①年金の種類は公的年金等に限定
 ②収入金額が400万円以下
 ③それ以外の所得金額が20万円以下
です。年金の平均収入より高いので、年金者の7~8割を申告不要対象にしようとしています。

◆申告不要は税の非課税や減免ではない
 申告不要で税の減収は予定していません。税収は確定申告手続きによってではなく、源泉徴収や特別徴収の手続きによって確保する予定です。
 とは言え、今までの年金に係る源泉徴収票では税額の算出過程が不透明で、その正確性のチェックがどの程度のものなのか疑問の多いところでした。

◆扶養親族等申告書の提出を承けて
 源泉徴収の税額は、年金受給者が提出する扶養親族等申告書の記載内容によります。
 ただし、その記載が正しいか否かを年金支払機関はチェックしません。給与所得者の扶養控除等申告書についても同じです。提出されたものを正しいものとして信じて源泉徴収等の事務処理をするだけです。不正記載への罰則もありません。

◆源泉徴収事務の強化が主眼か
 年金には年末調整のような課税所得を精算する場がなく、年金支払機関も複数の場合が多く、正確な計算が困難です。そんな中で申告不要の導入をするとなると、源泉徴収による税の確保が要所となります。今後はそこの制度改善がクローズアップされてきそうです。
11年08月15日 16時15分34秒
Posted by: zeihon
◆当初の内閣提出の税制改正案は
 通常国会の初期に出されていた当初の平成23年度税制改正案は、衆議院で立往生していましたが、その一部が、自公民3党合意案として分離され、6月22日に国会通過し、6月30日公布されました。
 3党合意に至らなかった残りの部分は、年度改正ではないタイトルに変えて引き続き「所得税法等一部改正案」として衆議院で継続審議という立往生状態を続けています。

◆本年改正が断念されたもの
 そういう経過で、当初の税制改正案で今年の成案化が絶望視されているものは以下の通りです。今年の改正の目玉項目だったものの多くを含んでいます。
<個人所得課税>
・役員の給与所得控除の上限設定
・給与特定支出控除の見直し
・成年扶養控除の所得制限
(特定扶養親族・障害者等は存続)
・5年以下の役員退職金の1/2課税廃止
<法人課税>
・実効税率を5%引下げ
(法人税率30%→25.5%)
・減価償却の見直し(200%定率法)
・大企業欠損金繰越控除の2割制限
・中小法人に対する軽減税率の引下げ
(18%→15%)
<資産課税>
・相続税の基礎控除の引下げ、税率構造の見直し
・贈与税の税率構造の緩和
・精算課税の孫への対象拡大
<国税通則法>
・納税者権利憲章の策定等の抜本改正

◆増税路線と権利保護の破綻
 ここに列挙した税率軽減・贈与税以外の項目はすべて増税項目で、納税者権利保護もその増税への不満忌避としての策にすぎません。
 多分、今後は次々と新しい増税項目が毎年目白押しに出てくることになっていたのだと思われます。消費税の税率アップが当面の切所ではありますが。
 それが、最初の増税元年に破綻してしまったわけです。しかしながら、財務省は継続審議として成案化を追求し続けています。来年2年分をまとめて増税改正できるか否かが、今後のわが国の財務省主導の財政のあり様に、大きな影響を及ぼしそうです。
11年08月04日 14時53分43秒
Posted by: zeihon
 国税庁は、2009事務年度の相互協議を伴う事前確認の状況を発表しました。
 それによりますと、相互協議事案は、過去最多の183件(前年度174件)発生し、うち事前確認に係るものも過去最多の149件に達しました。

 相互協議事案の発生件数は増加傾向にありますが、全体の9割以上を移転価格に関するものが占めており、近年はそのなかでも事前確認に係る事案が全体の約7割を占める状態が続いております。
 移転価格税制は、法人と関連企業(国外関連者)との取引が第三者間の取引価格(独立企業間価格)と異なる場合、その取引価格を正常な価格に引きなおして課税する制度ですが、相互協議は、移転価格課税における二重課税を防ぐため、国税庁が外国の税務当局と交渉するものです。
 また、事前確認とは、納税者が税務当局に事前に申し出た独立企業間価格の算定方法を税務当局が確認した場合には、移転価格課税は行わない制度です。

 2009事務年度において発生した183件の相互協議事案のうち、移転価格に関するものは前年度から16件増の176件、このうち事前確認に係るものが同19件増の149件と過去最多となりました。
10年前の1999事務年度と比べますと、相互協議件数は約3倍、事前確認に係る相互協議件数は約4倍と大幅に増加しております。
 一方、2009事務年度に相互協議が終了したのは前年度より27件多い154件と、過去最高の処理件数でした前年度を上回りました。
 このうち、相互協議を伴う事前確認の合意件数は105件でした。
 業種別にみると、製造業が57件、卸売・小売業が29件となっております。
 対象取引別にみると、棚卸取引が79件、役務提供取引が45件、無形資産取引が39件となっております。

 相互協議を伴う事前確認については、これまで米国及び豪州の事案が大半を占めていましたが、昨今は、アジア諸国等の事前確認も増加しております。
 なお、米国は2001事務年度の18件から2009事務年度は47件に増加しましたが、アジア・大洋州は同5件から35件と大幅に増加しました。
 今後も、こうした国との間の事前確認事案がさらに増加していくと予想されております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成23年7月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
11年08月04日 14時51分56秒
Posted by: zeihon
国税庁は、酒類業者に対し、公正なルールに則していない取引があった場合には、合理的な価格設定を行うように指導しておりますが、国税庁が2010年6月までの1年間(2009事務年度)に実施した酒類の取引状況等実態調査によりますと、調査対象の約98%の酒類販売場等において総販売原価を下回る価格で販売するなど、利益を度外視した価格設定がみられ、改善指導しました。

 国税庁は、2009事務年度に、約22万場の酒類販売場等のうち、チラシ広告などの情報から取引に問題があると考えられた2,962場を一般調査しました。
 その結果、全体の97.6%にあたる2,891場において「総販売原価を下回る価格で販売するなど合理的な価格設定がされていない」ことがわかりました。

般的に、酒類の販売価格は、仕入価格(または製造原価)、販売費及び一般管理費などに利潤を加えたものとされております。
 例えば、スーパーマーケットを営むA社は、ビール系飲料について、販売価格を仕入価格と同程度に設定していたため、総販売原価を下回る価格での販売となっておりました。
 さらに、特定の日曜日・時間帯に実施している1割引セールの対象とした一部商品については、1ケース(350ml×24本)あたりの仕入価格を、233円(仕入価格の9%)下回る価格で販売しておりました。

 これらの問題があった酒類販売場等に対し国税庁は、こうした原価割れ販売を続けると、事業者が将来にわたって健全な経営を維持することが難しいとの観点から、合理的な価格設定を行うよう指導しております。
 そこには、合理的な価格設定を無視した原価割れの商品を、顧客誘引のためのおとり商品としての使用は不適正な取引慣行であり、致酔性・依存性などの酒類の特殊性を考えると弊害が大きいとの判断がある。

 なお、調査では、そのほか、特定の取引先に対して合理的な理由のないリベートを支払うなど「取引先等の公正な取扱いが行われていないもの」が178場、製造業者等が販売促進等の市場活動を通じて経済上の利益を供与するなど「公正な取引条件の設定がなされていないもの」が6場、支払基準が不明確なリベートを支払うなど「透明かつ合理的なリベート類の提供が行われていないもの」が173場認められたといいます。

(注意)
 上記の記載内容は、平成23年7月14日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。



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