2015年 1月の記事一覧

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15年01月20日 13時53分10秒
Posted by: zeihon

◆まずは供託の典型から
 供託で、まず思い浮かぶのは、不動産賃貸借で、契約期間満了や賃料改定が争いとなったときに、賃借人が、法務局で賃料相当額を供託する事例ではないでしょうか。
 これは、弁済供託という類型で、相手方が支払受領を拒否し、あるいは、行方不明になった場合に、供託によって支払義務から解放させることを目的とします。

◆供託は弁済供託だけではない
 しかし、供託の種類はこれだけではなく、他にはこういう場面があります。
1.法律上、何らかの担保提供として供託が求められる場合(担保保証供託)
 これは、①営業者(宅地建物取引業が典型)がその営業活動で生ずる債務や損害を担保するために供託を求められる場合(営業保証供託)、②裁判所から訴訟費用や訴訟行為による相手方の損害を担保するために、供託を命じられる場合(裁判上の担保供託)、③相続税、贈与税等の延納許可、又は納税猶予に関し、納付又は徴収を確保すべく、税務署長等から納税者に担保提供を求められる場合(税法上の担保供託)があります。
2.支払債務が第三者の差押えの対象になったために供託する場合(執行供託)
 従業員への給与が差し押さえられた場合のように、金銭債権について裁判所から差押命令の送達を受けた場合に、当該金銭債権の債務者(第三債務者)が、その金銭債権の全額に相当する金銭を供託することができます。また、同一の金銭債権(例えば買掛金債務)について複数の債権者から差し押さえられた場合、第三債務者は、金銭債権の全額に相当する額の金銭を供託しなければなりません。
3.公職選挙のように、ある目的から、一定の額の金銭等を供託させ、一定の事由が生じたときは、国又は地方公共団体がこれを没収する供託(没取供託)
4.目的物の散逸を防止するために、供託物そのものの保管・保全を目的としてされる供託(保管供託)
 例えば、銀行、保険会社等の業績が悪化して、資産状態が不良となった場合に、財産散逸を防ぐべく、監督官庁が財産の供託を命ずる場合です。

 
15年01月20日 13時52分08秒
Posted by: zeihon

◆H27.1.1以後の「小規模宅地等の減額」
 平成27年1月1日以後に開始する相続に係る相続税について適用される基礎控除額の引下げ・税率構造の見直しによる税負担の増加を緩和するため、次の「小規模宅地等の減額」の改正が行われております。
①特定居住用宅地等の限度面積の拡大
②特定事業用等宅地等と特定居住用宅地等の完全併用

◆特定居住用宅地等は限度面積330㎡に拡大
 特定居住用宅地等の限度面積が240㎡から330㎡に拡大されました。これは大都市圏における「特定居住用宅地等」を適用している事案の平均値が約360㎡であることなど居住用宅地の実情に合わせた改正です。

◆「特定事業用等」「特定居住用」の完全併用
 小規模宅地等の減額を受けようとする宅地等が複数ある場合には、「特定事業用等宅地等」(特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等)、「特定居住用宅地等」と「貸付事業用宅地等」の限度面積を全体で調整する規定が設けられています。
 今回の改正後も次の算式により減額の適用ができる限度面積が調整されます(これを「限定併用」といいます)。
【算式】
特定事業用等宅地等の面積×200/400+特定居住用宅地等の面積×200/300+貸付事業用宅地等の面積 ≦200㎡
 今回の改正では、この算式によらず、「特定事業用等宅地等」と「特定居住用宅地等」のみである場合には「完全併用」できるという制度が設けられました。つまり、「特定事業用等」400㎡と「特定居住用」330㎡を合わせて730㎡まで制限なく適用できることになります。

◆小規模宅地等の「選択」が変わってくる
 「限定併用」の考え方では、減額金額が最大となる選択をする場合には、次の算式による「1㎡当たりの減額金額」を比較して大きなものから選ぶことになります。
・「特定事業用等」 1㎡単価×80%×400/200
・「特定居住用」  1㎡単価×80%×330/200
・「貸付事業用」  1㎡単価×50%
 ただ「完全併用」が導入されたことにより、1㎡の減額が大きな「貸付事業用宅地等」をあえて選択せず、「完全併用」を用いた方が有利なケースも出てきました。今後は「限定併用」「完全併用」の両者を計算して比較し検討する場面も出てきそうです。

 
15年01月15日 10時58分27秒
Posted by: zeihon
◆扶養控除の適用要件
 扶養控除の適用要件は、①配偶者を除く年齢16歳以上の親族(法令の規定に基づく児童等も含む)、②親族の年間の合計所得金額38万円以下、そして、③納税者と同じ家計で生活する、の3つです。
 この3つの要件ですが、納税者の自己申告であり、適用にあたっては、特にその事実を証明すべき書類、例えば、親族であることを証明する戸籍謄本等、所得を証明する源泉徴収票等、そして、同居以外の場合、同一家計での生活を証明するための、送金の事実を証明する書類等の提出は不要となっています。

◆国外居住者の扶養親族
 扶養控除の適用可否について、対象となる親族が国内に居住していれば、上記の3要件を確認することはそう難しくありませんが、対象親族が国外に居住しているとなると、その確認は容易ではありません。
 要件の1つである、合計所得金額38万円以下の判定に関しては、その親族が我が国で得た所得、すなわち国内源泉所得だけで判定しますので、その把握はそう困難ではありません。
 しかし、親族の証明、親族への生活費の送金事実の証明となるとなかなか厄介です。
 国際結婚で国外に親族がいるようになった場合、我が国のように戸籍制度が確立していれば、親族であることを証明すべき公文書のような書類の提出を求めることもできますが、制度が整備されていないとすると、その信用性が担保できません。
 また、同じ家計で生活していることの証明ですが、生活費の海外送金などの明細書等があれば問題ないのですが、現地で直接現金で渡した場合などは、その事実を客観的に証明することは困難です。

◆平成27年度の税制改正の行方
 外国人と結婚した日本人や海外に親族を残して日本で働く外国人の扶養控除の実態を会計検査院が調査したところ、不確かな状況で扶養控除を受けている事実が散見され、中には扶養控除額だけで300万円超受けていた人は140人もいたことが明らかになり、新聞報道でも話題になりました。
 そこで、財務省は、平成27年度の税制改正で、その適用を厳格化すべき方針を固めたようです。その内容ですが、親族が確認できる書類や送金明細書の添付の義務化等が挙げられています。
15年01月15日 10時55分10秒
Posted by: zeihon

◆仕入税額控除の原則
 消費税の仕入税額控除には、個別対応方式と一括比例配分方式の2つの方法が認められています。
 なお、一括比例配分方式を採用した場合は、2年間その適用を継続しなればなりません。

◆課税売上割合の原則的な取扱い
 個別対応方式においても一括比例配分方式においても、原則、課税売上割合を計算しないと仕入税額控除を求めることができません。課税売上割合は、原則、次の計算式で求めることになっています。
 課税売上割合=(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)/(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額+非課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)
 しかし、特例として、承認を受けることで上記課税売上割合に代えて事業者の事業の実情に応じて算定した合理的な割合、いわゆる課税売上割合に準ずる割合を求めて控除税額を計算することもできます。

◆たまたま土地の譲渡があった課税期間
 たまたま土地の譲渡があった場合、一般的には、非課税売上の譲渡等の対価の額が大きくなることから、課税売上割合は大きく低下し、仕入税額控除額は小さくなり、結果、事業者にとっては予期しがたい税負担を招来させます。
 そこで、課税実務では、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内であれば、次により求めた割合のうち低い割合を課税売上割合に準ずる割合とすることが認められています。
・土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合
・土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

◆準ずる割合の適用承認はいつまで
 消費税の実務において、届出書の提出期限又は承認はいつまでか、その手続きが重要です。多くの場合、承認・届出の手続きは、適用を受けようとする課税期間の末日まで、又は課税期間の開始の前日までです。
 しかし、この準ずる割合の承認申請ですが、適用しようとする課税期間末日までに承認を受けていなければ適用できないことになっています。課税期間末日近くでの申請では承認が間に合いません。これは酷な規定です。

 
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