今回のテーマは、『従業員に対する紹介手数料について』です。

会社の○○部署において、新たな人材確保のため、人材を紹介してくれたら、紹介してくれた従業員に紹介手数料を支払う場合に、税務的にどういう処理が必要になってくるでしょうか?
従業員に対する紹介手数料の支払いは、支払手数料(雑所得)か給料の2つに絞られるかと考えます。
①支払手数料(雑所得)のケース
 営業時間外に営業活動を行って、その結果得た紹介を支払手数料とする場合は、外部的に取り決めた支払手数料の利率に準じているのであれば、会社側は従業員への手数料として処理する方法も考えられます。
 支払手数料の場合は、会社は消費税分を加味することでき、従業員は雑所得になります。雑所得の場合、年間20万円を超える場合は確定申告が必要となります。

②給料のケース

職業安定法第40条(報酬の供与の禁止)

労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第36条第2項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

従業員職があっての紹介なので、労働の対価の一部として従業員の受注獲得に対する報奨金は給与とも考えられます。

労働局等の労働行政機関は、従業員に対して支給される謝礼が給与所得になるよう処理してほしいと指摘しており、賃金規程に明記する際には、対象となる社員の範囲、支給要件、支給金額等を明確に記載することが必要となる。

給与の場合は、4-6月に紹介手数料が加算されると、社会保険料が増額してしまいます。

③総評

税務上、紹介者が社員である場合については、紹介手数料を給与として処理する(会社は損金算入、本人には所得税課税)方法が望ましいと考える。

また補足ですが、ハウスメーカーが、住宅の建築主を紹介したことに対して支払う紹介料など外部者への手数料は、紹介手数料として損金計上可能である。しかし、交際費とするか全額損金とするかの問題点も生じます。契約をしっかり交わすなど、一定の要件を満たせば全額損金も可能となります。

交際費も、800万円までは全額損金可能となりましたので、超える場合は注意が必要となります。