簡易課税制度とは、中小事業者の前々期における課税売上高が5,000万円以下であり、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに、簡易課税制度選択届出書を提出している場合に、受けることのできる消費税法の制度です。

(1)通常の消費税の計算(一般課税)

①売上2,000万円(税抜)の消費税額  160万円

②仕入1,000万円(税抜)の消費税額   80万円

その課税期間の取引が上記のみの場合、納付税額は、①から②を控除した80万円となります。

(2)簡易課税制度の計算(小売業の場合)

①160万 - (①160万 × みなし仕入率0.8) =32万円が、納付税額となります。

簡易課税制度の適用を受ける場合は、売上高だけを考慮して計算することが可能となり、実務的にも簡便になります。

(3)みなし仕入率

①現行

  業 種 みなし仕入率
1 第一種事業 卸売業 90%
2 第二種事業 小売業 80%
3 第三種事業 製造業等 70%
4 第四種事業 その他の事業(飲食業・保険業) 60%
5 第五種事業 サービス業・不動産業等 50%

②改正後

  業 種 みなし仕入率
1 第一種事業 卸売業 90%
2 第二種事業 小売業 80%
3 第三種事業 製造業等 70%
4 第四種事業 その他の事業(飲食業等) 60%
5 第五種事業 サービス業・保険業等 50%
6 第六種事業 不動産業等 40%

改正点は、金融業・保険業等のみなし仕入率が60%から50%に、不動産業が50%から40%に見直されました。原則、平成27年4月1日以後に開始される課税期間より適用されます。

また、翌期から簡易課税制度の適用を受けようとする事業者が、本年9月30日までに簡易課税制度選択届出書を提出した場合には、簡易課税制度が強制される2期間は旧みなし仕入率が適用されます。