東京株式会社ブロード・レジデンシャル・インベストメント という会社から電話があった。

六本木ガリシアヒルズ六本木 という ワンルームマンション に投資しませんかという勧誘だった。

こういうのはすぐ断るのだが、頼みもしないのにパンフレットを送ってきたので見てみた。

「なぜ、今ワンルームマンションなのか?」 というタイトルで6つの理由があげられていた。

老後の「年金」 になります。
生命保険 の代わりになります。
安定した高利回り が期待できます。
所得税・住民税・相続税 を節約できます。
お子様 の住まいとしても利用できます。
インフレ対策 に強い。

「インフレ対策に強い」 じゃなくて 「インフレに強い」 だろう、という突っ込みはさておき、この時点でいくつかの疑問が。

お子様が住んだら収入にならないし、赤字にして税金を減らすのは本末転倒だ。

さらに、利回りっていうのは現金で買った時の話であって、ローンで買って利回りはない。

参考資料として添えられていた支払い例も見てみた。

まず、取得時に諸費用と税金で 104万円 かかる。
年間の支払い総額は、ローンの返済、管理費、修繕積立金等で税込み 152万1428円
収入は 144万円(12万円/月) 。 年 81,428円 の持ち出し。
31年ローン なので、この間の持ち出し金額は
81,428円×31=252万円

でもこれだけで済むと思ったら大間違い。

人が出て行くたびに リフォーム費用 がかかる。
5年 ごとに人が入れ替わるとして、 計6回
プラス 15年 に1回は 大規模なリフォーム(水周り総とっかえ) が必要。
それぞれ 30万150万 として
30万×4+150万×2=420万円(修繕費を含む)。

おまけにリフォーム中は家賃が入らない。

礼金更新料 でまかなえると言う意見もあるが、これらのお金は違法だという判例が出ており、 今後は期待できない
12万×6=72万円。

ここまでの費用を合計すると、

104万+252万+420万+72万=848万円。

これだけのお金を払ってようやく ローン が終わり、その後は年間 約124万円 の収入が入る。

でも払ったお金を取り戻すだけで 約7年 かかるし、その間も管理費や修繕積立金はかかり、人の入れ替わりもある。

つまり 40年 近くかかってようやくチャラになる計算。 そして手元に残るのは 築40年の老朽マンション

将来転売できるとも書いてあるが、当然ながら高く売れるとは一言も書いていない。

マンションというのは、人が1ヶ月でも住んだら 中古 になり、市場価格は 1~2割ダウン する。

マンション投資を考えているなら、好立地の ファミリー向け中古物件 を根気よく探して安く買うのがいいと思う。