内閣府の公益法人informationで4月末までの申請状況が出ていたので見てみましたら、3月に、沖縄県の移行認定で不認定が出ていました。
これで、公益移行認定に関しては、内閣府で2件、岐阜県で1件、そしてこの沖縄県で1件、合計4件となりました。

 不認定の答申が出されたのは、社団法人沖縄県公共嘱託登記土地家屋調査士協会。

 この協会、要は官公署等からの依頼業務を受託し、会員である土地家屋調査士に業務を配分し、その成果を検査等して納品する、という業務を主に行っている団体のようです。

 名前からいわゆる同業者団体かと思ったのですが、この業務内容を見るとそうではないようですね。 不認定の理由にも挙げられていますが、受託事業の執行母体と言える印象を持ちました。この事業が主な事業だとすると、確かに、「不特定多数の利益の増進」の基準はキツイかもしれませんね。

 審議会の結論としては、次のように挙げられています。
「調査士法事業(上記の業務をそう呼ぶようです)の業務自体が一般的・抽象的な公益性を有することについては十分に理解するものであるが、これは公益法人認定法における公益性の判断とは異なる問題であり、  中略   当該事業が不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものと解することは困難であることから  中略  公益目的事業と認めることはできない」

 ちなみに、この協会は公益目的事業1つのみで申請しています。よって、この公益性が認められなければ、公益目的事業比率が50/100を下回る事は明らかです。


 審議会ではさらに、

「公益法人認定法の下での公益性を認めるためには、それが、民間団体が自発的に行う公益事業の推進という公益法人認定法の目的や税制上の優遇措置等の公益法人制度改革の趣旨に沿った独自性を有し、具体的に不特定多数の者の利益の増進に寄与することが認定されなければならない。」としています。

うーん、なかなか厳しい。でも、言わんとすることはわかります。不認定は圧倒的に同業者団体が多いですね。その中でも、「受託事業」は特に注意しなければならないことがこれでもよくわかりますね。
 公益認定は戦略であり、戦術でもあります。まずは、戦略を綿密に検証しなければなりません。