最初に言っておきますが、私はごくごく普通の社会人です。少なくとも、感覚的には普通だと思っています。

 私が面白いと思うドラマは大抵そこそこの視聴率を取りますし、逆に、これは見続ける価値ないな、と感じるドラマはやはり視聴率も低迷します。流行ってる音楽を聞くと素直に「あ、いいな」と思いますし、AKB48が人気だと聞くと、どんな子がいてどんな歌を歌ってるのか気になります。

 そんな私ですから、まあ、ボランティアだとか寄附だとかにはなーんとなく心惹かれるものはありますが、なかなか行動にまでは移さない。そう、普通の社会人にとっては、とくに寄附はこんな感じだと思います。

 でも、こういう時代ですし、貧困や子どもの問題などに心を痛める人は増えているはずです。自分にも何かできることがあるんじゃないだろうか、と思いつつ、さて、実際に寄附をする、という人はどれくらいいるのでしょうか。

 私も何度も、いろんな団体を調べて寄附をしようと思ったことがあります。しかし、いざ、ではどこに寄附をするのか、ということになると、迷います。
 
 というのも、情報が少なすぎるのです。

 新聞に一面広告を出せるような団体は、私が寄附しなくても十分お金が集まるでしょう。そんなところではなく、小さくても素晴らしい活動をしていて、それでいてお金に困っているようなところ。そんな団体を、どうやって探せばいいのでしょうか。探す方法ははっきり言ってありません。
で、私が寄附をするのは、あしなが育英会になってしまうのです。

 
 

 もちろん、寄附をする人のための団体紹介のHPだとか、日本財団ですとか、そういうものはあります。それも確かに役に立つかもしれません。

 しかし、団体そのものが発する情報が見たいのです。 誰かの紹介文が読みたいわけではありません。

 都道府県のHPには、管轄しているNPO団体の一覧があります。そこには、活動内容や報告書・収支計算書のPDFなどが掲載されていますが、これらの情報の頼りないこと。なにがなんだか、まったくわからないところもたくさんあります。これでは、寄附したくても、市民として支えたくてもできません。

 NPOは、市民に支えられる団体なのではないでしょうか。法律上は利害関係者にしか情報公開をしなくてもいいことになっているのかもしれませんが、このままでいいのでしょうか。

 寄附税制が改正になり、税額控除ができるようになることは、確かに今まで寄附をすることが普通の人にはいいかもしれません。

 ですが、私と同じように、寄附をあまりしない人を寄附するようにする力があるわけではないでしょう。「しなかった人」を「する人」に変えるためには、情報公開と説得しかありません。それも団体そのものから、という点が大事だと思います。
それをしない限り、どんなに寄付税制が優遇されても、効果は薄いのではないでしょうか。