(1) 居抜きとは・・・

 設例ではアパ-トの居抜きが出ていますが、実際は飲食店の居抜きが大半を占めるのではないかと思います。
 居抜きとは、その建物のみでなく、建物の中身(店舗内の什器備品など)も売買の対象とする取引を言います。
 売手側は店内設備の修繕・廃棄・整理の手間が省け、買手側は安くで店内設備を手に入れることができ、オ-プンまでの期間も短くて済みます。
 この説例の場合、対象物件がアパ-トであり借家人を含めた売買となっています。

(2)買換えの特例(圧縮記帳)= 課税の繰り延べ

 (例)
 ① 譲渡直前簿価額    50,000千円
 ② 譲渡対価         80,000千円

 譲渡益 ② - ① = 30,000 ★(課税の対象)
 当期はなるべく税額を抑えたい・・・・
 そうだ、買換えの特例(圧縮記帳)だ!
 ②の譲渡対価を元手に資産を購入(買換資産 100,000千円)

① まず、差益割合(利益率)を出す
 80,000 - 50,000 / 80,000 = 37.5% (80,000千円で売って、30,000千円儲かった)

② 基礎取得価額   80,000 (譲渡対価と買換資産とのいずれか少ない金額)

③ ② × ① = 30,000

④ これが特徴 80%! (自発的なものだから) (収用の場合は80%掛けたりしない)
  ③ × 80% = 24,000 ★(圧縮損)

減価償却は 100,000 - 24,000 = 76,000千円を基礎として行っていく。