企業の組織再編、事業承継を得意とする長田公認会計士・税理士事務所がこのほど高松市に開業した。
 所長の長田公仁氏は、元税理士法人トーマツ高松事務所所長。6月に同事務所を退職、8月より個人事務所で業務を開始している。
 税理士法人トーマツは、日本最大級のビジネスプロフェッショナルグループの一つである「トーマツグループ」の一法人だ。
 長田所長はトーマツ時代、日本初の手法による再編案件を手がけた組織再編、事業承継のプロフェッショナル。また国際税務にも精通しており、なかでも中国の税務に強みを持つ。
 折しも「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が10月より施行され、氏の専門知識が求められる社会環境にある。
 「ポイントは遺留分に関する民法の特例・金融支援措置・相続税の納税猶予の三つです。中小企業の円滑な事業承継を目指した法令ですので、ぜひ相談・活用を願いたい」(長田所長)
 事務所の所在地は高松市伏石町1379-6。Tel087-867-3278
 長田所長は観音寺市大野原町出身の48才。山口大工学部を卒後、大林道路を経て、平成元年公認会計士試験に合格。同年監査法人トーマツに入所する。
 平成3年に高松事務所へ配属。同14年に税理士法人制度の創設に伴い開設された税理士法人トーマツ高松事務所の所長となる。トーマツでのキャリアは二十年にわたり個人事業主から上場企業まで幅広い企業の、幅広い要望に応えてきた。
 自身の事務所では、これまでのキャリアや専門性を背景に、顧客との密接なコミュニケーションに努めながら経営状況を把握し、成長戦略を提案していく。
 「組織再編はもちろん、見落としがちな助成金や税の減免など、市町によって異なる制度も提案に努め、企業価値向上のお手伝いをしたい。」
 と語る氏は複雑かつ多彩な専門的知識をもとに、顧客企業をサポートしていく考えだ。

日本初の再編手法
 長田氏がトーマツ時代に手がけた、日本初の再編手法は次の通りである。
 バブル期の投資の失敗で多額の債務超過にある非上場会社Aは、事業は順調で財政状態さえ改善されれば株式公開も目指せる状況にあった。そしてほぼ債務超過額に見合う多額の土地含み益があり、その一部を売却する話が持ち上がった。
 その際、長田氏が提案したスキームは次のようなものである。会社Aを解散し、その翌日に売却予定の土地などを除いて大部分の資産・負債を会社分割により新会社Bに承継させる。
 会社Aを清算し、株主に対し残余財産分配として新会社Bの株式と現金を分配した。このスキームは清算における残余財産分与として現金分配以外の現物分配(B社株式)を行った点に特色がある。
 その他にも債務の株式化で債務超過を解消した後に、会社分割・合併した案件もある。

null