【質問】
育児休業を取っておりましたが、子どもを保育園に預けるメドがたったため職場に復帰します。
ただ、子どもがまだ小さいため短時間勤務を行っています。
給与がかなり下がってしまうため、育児休業前の高い水準の社会保険料などを支払うのが正直、かなりきつい状況です。

【回答】
育児休業から職場に復帰した際には、社会保険料や給付の面で不利にならないような特別措置があります。


 保育園の待機児童が社会問題化する中、子どもの出産時期によっては育児休業を目一杯とらずに保育園探しをはじめ、メドがついたらば復職するご相談の方のようなケースが増えています。

 このような場合、短時間勤務や残業をしない勤務形態を取ることも多いでしょう。給与額が減ることもあります。

 社会保険では、保険料や給付面で本人に不利にならないような制度が設けられています。

■保険料:育児休業等終了時月額変更届
 社会保険の被保険者が育児休業を終了し、本人の申し出で短時間勤務等や残業免除等を行い休業前に比べて賃金が変動した場合(育休の対象の子を引き続き養育し、3歳未満である場合)は、報酬変動が随時改定(月額変更届)に該当しない時でも、標準報酬の改定を申し出る事ができます。

 改定は育児休業終了月の翌日の属する月以後3カ月のうち支給基準日数17日以上の日の平均額を計算します。
 随時改定と異なり、固定的賃金の変動を伴わない場合や、従前の標準報酬月額との差が1等級であっても適用となります。

 改定が1月から6月にあった場合はその年の8月まで、7月から12月にあった場合は翌年の8月まで適用されます。

■給付面:厚生年金養育期間標準報酬月額特例申出書
 3歳未満の子を養育する被保険者又は被保険者であった人で養育期間中の各月の標準報酬月額が養育期間開始月の前月の標準報酬を下回る場合、申し出により、従前の標準報酬で将来の年金額が計算されるような特例措置を受けることができます。

 申請には子の生年月日や本人との身分関係が明らかになる戸籍抄本等と、養育確認のための住民票の写し等が必要です。


 ちなみに、住民税にも徴収猶予の制度があります。
 育休をとる本人の申し出により、休業中の1年以内の期間、一時に納税するのが困難であると市区町村の長が認める場合、その間は徴収免除されます。

 住民税は復帰後に延滞金とともに納税しますが延滞金は2分の1相当額(市区町村によっては全額)が免除されます。