(「この難局を乗り切る経営戦略 その1」よりつづく)

 スカイマークの平成21年4-9月期の業績が大幅に改善されたのは、機材に関し、ボーイング767型を取り止めて小型機ボーイング737-800型に統一し、他の航空会社との差別化を図ったニッチ戦略が功を奏したことによります。加えて、9月に購入したシミュレーター1台で全パイロットが訓練できるという教育の効率性まで獲得しています。

 この機材のダウンサイジングのお蔭で、空港使用料を10%、燃料関連費を40%、航空機材費を9%、整備費を46%、それぞれ減少させることに成功しました。一方、国内定期路線の搭乗実績は4月の65%から9月の84%にまで大幅に改善できました。こうした機材ダウンサイジングにより、搭乗率のブレーク・イーブン・ポイントを80%から68%にまで引き下げると同時に、平均搭乗率を高め、収益向上に結びつけることができたのです。

 JALやANAが、不採算な地方間路線の縮小・廃止に動くなか、スカイマークは、逆にその地方間路線に対して進出・事業拡大を検討しています。スカイマークから学べることは、事業分野を絞り込むという発想です。今は大変な難局ではありますが、見方を少し変えれば、中堅中小企業に多くのチャンスが到来しているのかもしれません。(了)

(記事提供者:アタックス 西浦 道明)