2010年度税制改正において、私たちの生活に影響する税制改正のなかから、個人所得課税における諸控除の見直しによる影響について記載します。
 2010年度は、子どもの養育を社会全体で支援するとの観点から、子ども手当(月26,000円の半額となる月額13,000円)の支給が開始される予定であり、その財源確保のために扶養控除が廃止される予定です(23歳から69歳までの成年扶養控除については廃止が見送られる予定ですが、今後については扶養控除や配偶者控除の見直しの可能性が十分に考えられます)。
 子ども手当の支給開始時期は2010年6月の予定ですが、扶養控除が廃止されることによる影響は、けっして小さくありません。
 この扶養控除の380,000円が使えなくなると、給与収入金額が変わらない場合でも、扶養控除が廃止されたことにより、所得税の源泉徴収税額が実質増えてしまい、所得税の課税税率が10%の家庭では、扶養控除が使えなくなる子ども一人につき、1カ月の増税額は約3,000円となります。
 また、住民税の扶養控除は2012年6月から廃止になる予定です。これもあくまで予定ですが、廃止された場合には、所得税、住民税とも課税税率が10%の家庭ですと、1カ月約6,000円の増税になってしまいます。
 2011年度には、子ども手当の支給額が月26,000円にアップされても、増税幅もあわせて増えてしまうことになります。(後編へ続く)

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年3月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。