トヨタが、アクセルペダルを巡る大規模リコールに関連して、北米でのカムリなど8車種の生産・販売を一時的に停止しました。

 目先の損失を恐れるよりも、徹底的に安全を追求することの方が、トヨタにとって重要であるという認識によるものですが、報道をみる限り、後手に回ってしまった感は否めません。もし昨年秋の大規模なリコールに続く今回の問題が長引くことになれば、世界販売計画や業績への影響も心配されます。

 こうした企業の危機管理に対する認識が、企業の業績やイメージを左右するケースも少なくありません。新聞報道でも改めて触れられていましたが、三菱自動車やパロマ工業が事故等の対応の不手際で業績悪化や企業イメージの失墜を招いたこと、一方で、石油温風機に関してパナソニックが徹底的な対応をし、企業イメージの失墜を防いだことなどは記憶に新しいのではないでしょうか。

 もちろん、今回のトヨタの大規模リコールが中堅中小企業のケースにぴったり当てはまる訳ではありません。しかし、これをミス・クレームに置き換えた場合には、企業規模や業種に関係なく、あらゆる企業が避けては通れないものとなるでしょう。(つづく)