トヨタの大規模リコールをミス・クレームの問題に置き換えると、あらゆる企業にとって関係のあるものとなります。

 もちろん、ミス・クレームが起きないに越したことはありませんが、どれだけ注意していてもその可能性を完全に排除することはできないからです。重要なことは、いかに真摯に取組み、次の信頼につなげるかという点です。

 あなたの会社は、ミス・クレームを次の信頼につなげるための危機管理ができているでしょうか。
①ミス・クレームを防ぐための品質管理体制が整備されているでしょうか
②ミス・クレーム発生時には、情報を迅速に吸い上げることができる仕組みが機能しているでしょうか
③ミス・クレームの原因を改善する仕組みが機能しているでしょうか
以上のことは、ある意味当然のことではありますが、当然のことを愚直にやり続けることは決して簡単なことではありません。しかし、やり続けることによって、「ミス・クレームを無くそう、その原因を明らかにしよう、なくすために改善しよう」という誠実な企業風土が醸成されていくのです。

 今後も、トヨタがこのリコール問題にどのように対応していくのかは注目していきたい事柄です。そして、その対応をしっかりと検証していくことを通じて、すべての中堅中小企業がミス・クレームに関する危機管理を見つめ直す良い機会とすべきではないでしょうか。(了)