(前編のつづき)

 就任早々、菅首相が消費税率引き上げを含む税財政改革に踏み込んだのは、かねてより、「増税をしても使う道を間違わなければ景気はよくなる」との持論からきております。

 これは、増税で得た収入を介護や医療などに投入すれば、雇用の創出にもつながるとの見解によるものです。
 菅首相は「極端に増税して借金を返すことは、デフレをより促進する政策になってしまう。財政を振り向ける方向はしっかりと経済成長につながる分野でなければならない。国民の貯蓄を国債という形で借り受けて経済成長につなげていくのは、経済成長としてはあり得る政策だが、(これまでは)90もの飛行場を作ってハブ空港を作らなかったことなど使い道が間違っていた。借金による財政出動で良いのか、税制の構造を変えて財源を使うことが望ましいのか、本格的に議論をする時期にきている。自民党を含む野党の皆さんでも危機感を持っている人がかなりいるので、議論をしていきたい」と述べています。

 今後、政府は6月中にも、今後3年間の国の収入と支出の見通しを示す「中期財政フレーム」と、今後10年間の「財政運営戦略」をまとめる予定であり、税制改革の動向が注目されます。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年6月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。