会計検査院



(前編からのつづき)

 また、税法上の大企業(資本金1億円超)の平均所得金額7億8,000万円を超す中小企業は92法人あり、所得金額10億円超が63法人、50億円超が9法人でした。
 これら大企業並みの中小企業では、所得が多いほど純資産額も多く、かつ、過去3事業年度においても赤字を計上していない傾向があるとみております。
 この点について、「過去も利益を着実に上げ、利益剰余金の形で蓄積していったことが推測される」と指摘し、財務体質が弱い中小企業を救う目的から外れているとして、特別措置の効果を検証し、適用範囲を見直すべきだとしました。

 また、法人税についても、必ずしも税が負担できないとは認められない中小企業がみられると指摘しました。
 例えば、資本金2,400万円で、売上高約15億円の中小企業が現預金78億円、有価証券97億円を保有していたケースが挙げられております。
 会計検査院では、財務状況が脆弱とは認められない中小企業者が特例の適用を受けるのは制度の趣旨に沿ったものとはいえないとして、適用範囲について検討するよう意見表示しました。


(注意)
 上記の記載内容は、平成23年7月4日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。