金融庁は「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」を国会に提出しました。光学機器メーカー、オリンパスによる巨額の不正会計事件などを踏まえ、課徴金制度の規制を強化するものです。外部協力者も規制の対象にするとしています。
 改正案のポイントは、①虚偽開示書類の提出に加担する行為も課徴金の適用範囲にする②不公正取引に関する課徴金の対象拡大③不公正取引者に対する出頭命令権限の追加――の3点です。

 「課徴金制度の見直し」に関連した部分の法律案要綱では、①発行者等が虚偽開示書類等を提出し、提供しまたは公表した場合において、その提出等を容易にすべき行為またはそそのかす行為を行った者に対し、当該行為の対価として支払われた額等に相当する額の課徴金を課すこととする(金融商品取引法第172 条の12 関係)②金融商品取引業者等以外の者が、自己以外の者の計算において不公正取引をした場合、その報酬等の対価の額の課徴金を課すこととする(金融商品取引法第173 条~第175 条関係)③課徴金に関する調査について、金融商品取引法第172 条の12 の規定に係る課徴金の調査権限を設けるとともに、事件関係人または参考人に出頭を求める権限を追加することとする(金融商品取引法第177 条関係)――などとしています。

 現行法では、オリンパス事件のように外部協力者が加担していたケースであっても課徴金の対象外で、第三者の計算によって不公正取引したケースでも課徴金の対象外です。また、金融当局には対象者への出頭命令権限がなく、課徴金の調査に応じない事例もみられたといいます。
<情報提供:エヌピー通信社>