現在、IT産業でもっとも注目されている言葉の一つに「ビッグデータ」があります。ビッグデータを直訳すれば「大量のデータ」になりますが、ここでいうデータとは単なる数字の羅列だけではありません。

 ビッグデータには、インターネット上のホームページやブログにアップされた文章、写真、そして近年急速に広まったツイッターなどに書き込まれたつぶやきなどが対象になります。そのほかに、センサーやRFID(電波による個体識別)が送るデータなども含まれ、これらを合わせた、とてつもなく大容量の情報をビッグデータといいます。

 これまでは、インターネットにアップされている情報は玉石混合、質が低く、利用価値のないデータが多いとされていました。ところが、これらガラクタをコンピュータで解析することで宝の山に変え、結果をマーケティング、売上向上などに活用する動きが出てきました。

 すでに、ヒット商品や需要の予測、株価の予測、ゲリラ豪雨の予報といった取り組みが始まっています。さらには、パソコンの前に座っている人の顔を識別し、その人に合った広告を画面に表示するといったサービスの開発も進んでいます。近い将来は、ツイッターで悩みをつぶやいた人へ、その悩み解決につながる本やグッズのおすすめメールを送るといった、売上向上のためのサービスが出てくるかもしれません。
 
 現在、ビッグデータビジネスの先駆者にはアマゾンやグーグル、IBMなどのアメリカ企業が連なりますが、日本でも、わずかですが取り組みが報告されるようになりました。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)