金融庁は、2013年度税制改正要望項目を公表しました。
 主な要望項目は、
①国民の資産形成を支援する観点からの金融証券税制の抜本的見直し
②中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の企業再生支援
③日本再生戦略等に盛り込まれた事項などです。
 金融証券税制の抜本的見直しでは、日本版ISA(少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の恒久化等を図るとしております。

 約1,500 兆円ある我が国家計金融資産について、自助努力に基づく資産形成を支援・促進し、家計からの成長マネーの供給拡大を図るため、日本版ISAの活用に期待がよせられていますが、現在導入が予定されている制度は、2014年からの3年間に行われる投資だけを対象とする時限措置(100万円×3年間)となっております。
 このため、幅広い家計に国内外の資産への長期・分散投資による資産形成を行う機会を提供する観点から日本版ISAの拡充・簡素化を進める必要があるとしております。

 また、金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大・公社債等に対する課税方式の変更)について、2012年度税制改正大綱において「投資リスクの軽減等を通じて一般の投資家が一層投資しやすい環境を整えるため、14年に上場株式等の配当・譲渡所得等に係る税率が20%本則税率となることを踏まえ、13年度税制改正において、公社債等に対する課税方式の変更及び損益通算範囲の拡大を検討」とされており、その実現を要望しました。

 そして、中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の企業再生支援について、再生企業が金融機関等から債権放棄を受ける場合に、再生企業の「債務免除益」への課税が再生を妨げることのないよう「企業再生税制」が措置されておりますが、「2以上の金融機関による債権放棄が行われている」場合等に限定されており、その要件の拡大を求めるとともに、合理的な再生計画に基づく経営者の私財提供に係る譲渡所得の非課税措置も要望しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成24年11月7日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。