(前編からのつづき)

 簡素な給付措置については、公明党も「制度として導入するなら反対しない」と条件付きで賛成しております。
 したがいまして、給付付き税額控除を軸に負担軽減をしたい政府・民主党と自公両党との考えの隔たりは大きく、焦点は軽減税率導入の是非となるとみられております。

 政府・民主党が軽減税率の導入に否定的なのは、まず税収への影響が大きいことにあります。
 税率10%の引上げで年13.5兆円の歳入増を見込みますが、食料品に軽減税率を適用すると2.5兆円~3兆円の減収になるとの試算があり、社会保障の財源に見込んだ税収増の実現に懸念が生じております。
 また軽減税率は、高所得者も対象となるため逆進性対策としての政策効果が薄いことや、軽減税率の適用範囲の線引きが極めて困難なことなど問題点は多いとの指摘もあります。

 政府・民主党は、軽減税率の導入を自公両党の要望に応えて検討はするものの、導入は「税率が10%を超えてから」が本音であり、早期導入には否定的だとみられており、今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成24年11月21日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。