会社の営業活動を円滑に行う上で、得意先の接待は欠かせません。好況期に比べると減ってはいるものの、飲食やゴルフなどの接待は今も健在です。
 しかし、会社の交際費の支出を無制限に認めたのでは、法人税負担がいくらでも軽減されてしまうということで、税務上では原則として交際費は損金不算入扱いです。ただし、資本金1億円以下の中小企業については、特例として年間600万円(定額控除限度額)までの交際費について、10%を除外した金額、つまり支出の90%を損金として算入することが認められています。

 ちなみに税務上の交際費とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」とされています。もっぱら従業員の慰安のために行われる運動会や演芸会、旅行等のために通常必要とされる費用は除かれます。
 この定義に合致する支出であれば、たとえ経理上で「福利厚生費」や「広告宣伝費」、「雑費」などの勘定科目で計上したとしても、税務上では交際費として扱うことになります。
 得意先との飲食費やゴルフ料金、中元・歳暮、慶弔金などは交際費の代表的なものです。金額の多寡は関係ないので、たとえ1千円の手土産でも、交際費の定義に合致する支出はすべて交際費扱いになります。

 平成25年度税制改正大綱では、この定額控除限度額を800万円に引き上げた上で、10%の損金不算入が撤廃される見通しです。これにより、中小企業については年間800万円までの交際費については損金に算入できることになります。
<情報提供:エヌピー通信社>