平成25年度税制改正でスタートした「教育資金の一括贈与の非課税措置」は、30歳未満の孫などに直系尊属から教育目的の資金を一括して贈与する場合、受け取る人(受贈者)1人について1500万円まで贈与税が掛からないという時限措置です。平成27年末までの贈与に適用されます。受贈者が30歳になるまでに資金を使いきらなければ、残った部分には贈与税が課税されます。もちろん、教育の範疇に入らないものに支払った場合も、その費用は贈与税の対象になります。
 祖父母から孫への贈与がクローズアップされていますが、直系尊属からの贈与が対象なので、祖父母のほかに、曾祖父母、父母からの贈与にも適用されます。養父母は含まれますが、養子縁組をしていない配偶者の直系尊属や、叔父・叔母、兄弟からの贈与は対象外となっています。

 「教育資金一括贈与の非課税措置」に関して書式が規定された申告書には、「教育資金非課税申告書」「追加教育資金非課税申告書」「教育資金非課税取消申告書」「教育資金非課税廃止申告書」「教育資金管理契約に関する異動申告書」があります。
 特例の適用を受ける場合は、「教育資金非課税申告書」に添付書類を付け、信託される日、預金・貯金の預入をする日または有価証券を購入する日までに、教育資金管理契約を締結した金融機関の営業所などを経由して税務署に届け出ます。添付書類は、①信託または贈与に関する契約書などの写し(信託または贈与の事実および年月日を証する書類)、②受贈者の戸籍の謄本または抄本や住民票の写しなどの写し(受贈者の氏名、生年月日、住所または居所および贈与者との続柄を証する書類)――となっています。

 そのほかの申告書は、追加で教育資金の一括贈与を受けたときや、遺留分の減殺等で贈与の一部または全部について非課税拠出額が減少・消滅することになったとき、住所・氏名の変更があったとき、教育資金管理契約に基づく事務を他の金融機関の営業所等に移管したときなどに提出します。
<情報提供:エヌピー通信社>