経済産業省は、「新興国における課税問題の事例と対策」と題した資料を公表しました。
 それによりますと、わが国企業が海外展開する際の税トラブルの事例と対策を紹介しており、課税問題として、まず「移転価格税制」を挙げております。

 移転価格税制とは、海外の関連企業との間の取引を通じた所得の海外移転防止のため、その取引が通常の第三者との取引による取引価格で行われたものとみなして所得を計算し、実態とかい離している場合に課税されます。
 移転価格税制に関連した課税事案の例では、中国税務当局から、景気や経営状況に関係なく一律の高い利益率が求められ追徴課税を受けた事例や、インド税務当局から、業種・業態が異なる他社の高い利益率と比較され、追徴課税を受けた事例などが紹介されております。
 そして、その対応策として、移転価格税制に関する現地の規定や運用等について事前に情報収集した上で、取引価格を検討することなどが挙げられております。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成25年11月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。