事業承継税制の目玉となる「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」が創設されました。

従来の10%減額方式から80%猶予方式へ大きく転換しました。

この制度は単に「事業承継」だけではなく、「雇用の確保」も目的として挙げられています。


仮に申告期限後5年以内に20%以上の雇用カット等となれば納税猶予期限が到来し、猶予されていた税額を(利子税含めて)納税しなければならないケースも。

申告期限後の継続管理等が必要となるため、'''この制度を適用する上では、慎重に検討しておくことが必要となります。

一方、同族会社へ貸付する事業用宅地等は「小規模宅地等の減額制度」により(納税猶予ではなく)納税額が減額されます。

納税猶予制度のように申告期限後の継続管理等の必要はなく、仮に申告期限後5年以内に20%以上の雇用カット等となったとしても納税額に影響はありません。

前者の「猶予」は納付期限の延長、後者の「減額」は納税額の減額、この二つの優遇制度は同じ事業承継税制でありながら、手法が大きく異なるため、実際の相続税の申告で適用する際には慎重に判断する必要があります。