年の瀬も近づき、事業でお金の手当てを必要とされる経営者の方も多いかと思います。
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ボーナスの支払い、歳末にかかる出費や納税準備、年末年始が休日になるため多めの運転資金の確保・・・

運転資金として銀行からの借入も検討したいと思っても

「ただ、ウチは財務内容がなぁ・・・。」

つい、尻込みしてしまう経営者の方も、実はいらっしゃるかもしれません。

ところで皆様は「資本性借入金」という言葉をお聞きになったことがございますか?

これは、



銀行などの金融機関が会社の財務状況などを判断するにあたり、

負債ではなく「資本とみなすことができる」借入金のことです。


今回は、この「資本性借入金」を使うことにより、資本不足に直面している企業のバランスシートの改善を図り、 銀行からの借入を受けやすく、そして経営改善を図ることができる情報についてお話したいと思います。。 資本性借入金の活用先として、

東日本大震災や急激な円高の進行などにより、「資本不足に直面しているが将来性があり、経営改善の見通しがある企業」を想定しています。

では、具体的に、どのような債務が「資本性借入金」と認められる可能性が高いのでしょうか?

金融庁のQ&Aによれば、
「充分な資本的性質が認められる借入金」=貸出条件が「資本に準じた」借入金、のことである
と書かれています。

冒頭でも述べましたが、この取扱いは、あくまでも借入金の”実態的な性質”に着目したものであり、
お金を借りている人や貸している人の属性や資金の使途などによって決まるわけではないようです。

では、どのような観点から、「貸出条件が資本に準じた」と見做されるのでしょう?

それは言葉の通り、「貸出条件が資本に準じた性質である」ことになります。

基本的には

償還条件
金利の設定
返済の順位(劣後性といいます)
などといった観点から、判断してゆくこととなります。

1.の償還条件=原則として「長期間償還不要な状態である」事が必要です。

具体的には償還期間が5年を超えるものであることが必要となります。

2.の「金利」設定=配当可能利益に応じた金利設定、となります。

具体的には、業績連動型が原則であり、赤字の場合には利子の負担がほとんどないことが必要ですが、その場合でも、株式の株主管理コストに準じた事務コスト相当の金利は確保しておかないといけません。

3.の劣後性=原則として「法的破綻時の劣後性」が確保されていることが必要です。

どういう意味かと言うと、債務者が法的な破綻(倒産など)した際に、他の債務に対して元本や利息の支払いが後回しになることが約束されていることです。

具体的には、劣後ローンが挙げられます。

では、「担保付借入金」は、資本性借入金には該当しないのでしょうか?

通常、担保が付いていると、法的破綻時の劣後性が確保されているとはみなされず、十分な資本的性質が認められる借入金には該当しません。(但し、例外もあります)

それでは、保証人付きの借入金はどうなのでしょうか?

こちらも、保証が実行された場合には、上記の3条件が保証人に引き継がれないことから、基本的には該当しません。

但しこちらにも例外があり、上記の3条件が保証の実行後でも確保できる仕組みが備わっているのなら、十分な資本的性質が認められる借入金とみなしてよいことになっています。

負債にあたるもののうち、どれが資本性借入金として認められるかについては、その会社の債務の「実態」について詳しくヒアリングする必要がございます。もちろん弊所では無料で相談もお受けしております。

ご興味のある方はぜひ、お電話にてお問い合わせ下さい。TEL: 06-6208-6230、06-6208-6231


最後に、資本性借入金に関する「よくある質問」のPDFがございますので、参考までに御覧下さい。
金融検査マニュアルに関するよくあるご質問(FAQ)