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日頃、何気なく受け取っている「領収書」。

「領収証」や「レシート」とも言われますが、内容としてはほぼ同じです。
サラリーマンの方、専業主婦の方、その他どんな方でも、普段よく受取る書類ですよね。
事業を営んでおられる方なら、受領だけでなく、領収書を「発行」する立場でもあります。
この「領収書」、代金を支払った際に、スーパーや商店などから渡されるものであり、代金受領の事実を証明するものであります。
ところで領収書に時々、収入印紙が貼られているのを目にしたことはございませんか?

概ね高額な金額の領収書に貼られていることが多い、この「印紙」ですが
いったい何を意味するものなのでしょうか?
今回は領収書とそれに関わる印紙税について、お話したいと思います。


さて領収書を受け取る側ならともかく、発行する側にとって実に悩ましいのが、
「どういった場合に、印紙を貼る必要が出てくるの?」
こちらの疑問になるかと思います。

税法の世界では、領収書は「受取書」と呼ばれています。
ただ、全ての受取書=領収書が、印紙税の課税対象になるとは限りません。

それでは、印紙税の課税対象になる領収書とは、どんな内容のものを指すのでしょうか?

課税対象となる受取書は

1.「売上代金に係る金銭または有価証券の受取書」

2.「金銭または有価証券の受取書で、1.に掲げる受取書以外のもの」

の、2種類になるとされています。

要するに、「金銭」や「有価証券」の受取書=領収書でなければ、
課税文書にならない旨が定められているのです。


ただ、上記に該当する領収書であっても、受取金額が3万円未満であれば、印紙は必要ありません。
それでは、クレジットでの決済や、デビットカードによって金銭を受領した場合などは、
領収書に印紙は必要なのでしょうか? クレジットカードによる支払は、カードを切った時点では「信用取引」を行ったものとされ、まだ支払いが済んだわけではないので、
その領収書は「金銭又は有価証券の受取書」ではないのです。

この場合、「クレジットカードによる支払」と領収書に表示すれば、印紙は不要となります。

但し、表示がない場合は課税文書となり、印紙が必要になってくるので注意が必要です。
また、デビットカードによる支払による領収書は、金銭の受取書と考えられるので課税文書となり、印紙が必要になります。



プリペイドカードによる支払による領収書も、有価証券の受取書と考えられ、同様に印紙が必要です。
ただ、ポイントカードによる支払は、支払そのものが「金銭」や「有価証券」によるものでないので、印紙は必要ありません。

ところで最近は楽天やYahooショッピングなどでお買い物されたお客様に対して、
webサービスによる領収書を発行する会社も増えています。

この場合は、「請求書や領収書をFAXや電子メールにより貸付人に対して提出する場合には、実際に文書が交付されないので課税物件が存在しないことになり
印紙税の課税原因は発生しない」との内容が国税庁HPにも書かれてあり、
印紙が必要ない旨が明記されています。

よく迷われる方もいらっしゃいますが、領収書を再発行した場合でも、印紙は必要になってきます。

また、たまたま領収書を発行できる環境になく、後日正式な領収書を発行する前提で、
とりあえず名刺の裏などに「仮の領収書」を発行してしまった場合でも、
金銭や有価証券の受取の事実を証明するものであれば、課税文書となることに注意が必要です。

言うまでもないのですが、収入印紙は印紙という名前の「税金」になります。
収入印紙は、ただ「貼付け」するだけでは印紙税を納付したことにはならず、
割り印(消印)を行うことにより初めて「納付」した事になりますので
発行される事業主の方や領収書発行ご担当の方は、割り印を忘れないようにしましょう。

中川会計では、お客様にとって常に有用な情報提供を心がけております。
今回の印紙に関する内容に限らず、「こんなこと聞いてみたい…」など
疑問に思われることがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!