5月24日、政府税制調査会の専門家委員会がまとめる論点整理の概要が明らかになった旨の報道がされました。
 それによりますと、1990年代以降に相次いで実施した経済対策の減税措置が響き、税収など構造的な財源不足の解消が遅れたと指摘され、所得税の最高税率引き上げや、社会保障の拡充に向けた消費税増税の必要性を提言していました。

 また、過去に消費税率引き上げを決定した際、増税に見合う形で実施した所得税の特別減税や恒久的な減税が長期化した点にも着目しております。
 さらに、過去の税制改正で所得税の最高税率が40%まで引き下げられ、所得控除が拡充される一方で、時限的な減税の廃止に手間取り、構造的な見直しが進まなかったと結論づけており、税収回復と所得再分配機能の強化のためには、最高税率の引き上げが不可欠だと言及しております。

 今後、政府は6月にまとめる財政再建策などに反映させる見通しですが、参院選を控え与党内には増税論への反発も依然として根強いものがあり、年末の税制改正に向けて、税制調査会が論点をどう取り込むのかが焦点だとみられております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年5月26日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。