家族が死亡したとき、死亡した人の勤め先から「死者をとむらい、遺族を慰める」といった意味合いの「弔慰金」を貰い受けることがあります。お金を貰うことで家族を失った悲しみが消えるわけではありませんが、それでも「贈り手の気持ち」が遺族の励みとなることもあるでしょう。しかし、こうした弔慰金もひとつの「贈与」。貰った遺族にとっては税金が発生するのかどうかが気になるところです。

 弔慰金は、社会通念上相当と認められるものに限り所得税および贈与税が課されないこととなっており(所得税基本通達9-23、相続税法基本通達21の3-9)、その範囲を超えた部分の金額については相続税の課税対象となります。
 ですが、この「社会通念上相当と認められるもの」という表現は曖昧であるため、この文面だけで非課税となる弔慰金の範囲を判断するのは難しいもの。

 これについて国税庁は、「相続税法基本通達3-20の中で弔慰金として取り扱われた金額については課税されない」としています。
 この「弔慰金として取り扱われた金額」とは、①被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、死亡当時における賞与以外の普通給与(俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当等の合計額)の3年分に相当する金額②被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与の半年分に相当する金額――とされ、この範囲を超えた金額については「社会通念上相当と認められるもの」に該当せず、退職手当金の一部として取り扱うべきであることを明確化しています。
<情報提供:エヌピー通信社>