財務省と国税庁は、年金払い方式の生命保険に相続税と所得税がかかる「二重課税問題」で、取り過ぎた所得税の還付を10月下旬から始める旨の報道がありました。
 複数年に分けて受け取る保険金のうち、1年目の所得税を全額還付し、元本部分と運用益との支払いを受ける2年目以降についても、元本部分にかかっていた所得税は、時効になる前の過去5年分にさかのぼって還付する模様です。(年金払い方式の個人年金保険や学資保険も含む。)
 対象は最大20万件程度とみられ、今後、財務省と国税庁は、9月中に還付方法などの概要を公表する見通しで、契約者には国税庁から依頼を受けた生命保険各社が通知する方向です。

 生命保険業界は、「元本部分と運用益部分を切り分けるのは難しい」として、2年目以降も所得税全額を還付するよう要請し、交渉が難航していましたが、生命保険業界側も税務当局の判断に従うことにしたとみられ、両者の合意で、早期の還付開始が可能になったといわれます。
 今後、救済措置を表明していた5年超の還付については、法的な措置が必要なため、引き続き検討されます。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年8月31日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。