給付付き税額控除の導入には、共通番号制の導入が不可欠といわれますが、世界各国では、既に導入している国もあります。
 今回は、諸外国の給付付き税額控除について記載いたします。

 イギリスでは、一定時間就労を条件とした勤労税額控除(EITC)というものがあります。
 これは、25歳以上の人は、週30時間以上労働することが条件で、さらに、子どもの数に応じて、給付額を増加させます(所得が増加するにつれて、給付額は少なくなり、最終的にはなくなります)。
 つまり、勤労することを条件に給付する(勤労税額控除)、子どもの多い家庭への経済補助(児童税額控除)、中・低所得者を対象とした経済援助といえます。
 税制と社会保障制度を一体的に設計し運営することにより、低所得者や(低所得世帯の割合が多い)母子家庭を中心に支援し、勤労することの価値を高めようとするインセンティブの狙いもあります。

 アメリカでは、夫婦子ども2人の前提で、勤労税額控除は年間所得が400万円を超える家庭まで受給資格があります。
 また、子女税額控除(イギリスでいう児童税額控除)は、所得が1,400万円弱の世帯まで控除を行っており、子育てを助ける点に重きを置いています。
 今後の給付付き税額控除の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成22年10月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。