1971年の制度創設後、日本振興銀行の破綻を受けて、同行の金融整理管財人を務める預金保険機構は、初めてとなるペイオフを実施しました。
 ペイオフにより保護されますのは、当座預金などの決済用預金の場合は全額ですが、普通預金や定期預金などの場合は、元本1,000万円とその利息までとなっており、これを超える部分の預金は保護の対象外となります。

 破綻した金融機関の財産状況に応じて弁済される規定にはなっているものの、日本振興銀行が約1,800億円超の債務超過に陥っていることを考えますと、預金などの一般債権は大幅にカットされるとみられ、1千万円超の大部分は戻ってこないとみられております。
 ここで実務上、問題となりますのは、こうしたペイオフで保護されずに被害をこうむった部分に係る損失は、税務上、何か救済措置があるのかという点です。
 結論を先に申し上げますと、法人の場合は損金になりますが、個人の場合は控除されませんので、くれぐれもご注意ください。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成23年1月31日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。