国税庁は、2010年分所得税・贈与税の確定申告状況を発表した旨の報道がありました。
 それによりますと、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を2.2%下回る2,315万人となり、11年ぶりに減少した前年に引き続き減少しました。

 この背景には、景気の低迷により申告納税額がある人(以下、納税人員)が同2.2%減の702万1千人と5年連続で減少したことに加え、還付申告者数が同2.5%減の1,267万3千人と2004年分以来の減少となったことが要因とみられております。
 申告納税額は、ピークの1990年分(6兆6,023億円)の約3分の1にあたります。
 なお、還付申告者数は、前年まで5年連続で過去最高を更新しておりましたが、2010年分は6年ぶりの減少となりました。

 また、所得税申告者のうち、株式等譲渡所得の申告者は前年に比べ7.8%増の103万人9千人、うち所得金額がある人が同6.2%増の26万3千人と増加しましたが、所得金額は同11.1%減の1兆247億円と減少しました。
 これらの株式等譲渡所得の申告者を除く土地等の譲渡申告者は同3.8%増の41万人、うち所得金額がある人は同9.4%増の22万4千人、所得金額は同16.6%増の2兆4,855億円と、いずれも前年を上回っております。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成23年7月4日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。