(「来たるべき「労働人口減少時代」の採用戦略 その1」より続く)

 例えば、商品・サービスの競争力には、商品の品質・価格・ブランド力等がありますが、これらの要素が競合他社と拮抗している場合、最後は、「商品の提供の仕方」が決め手となります。具体的には、「懇切丁寧な対応をしてくれる」「話をよく聞いてくれる」「対応がきめ細かくて安心できる」です。これらはすべて、「社員の対応力」であり、この点は、男性よりどちらかと言えば女性の方が適しています。現にSGホールディングスは、単身世帯の増加により、「女性の配達員の方が安心」という独身女性のニーズに応え、採用した女性社員を、都市部の即戦力として活用する考えのようです。

 今後企業は、「女性の労働力」を、頭数ではなく、生活スタイルの変化、顧客の求めるニーズの変化の中で、新たな企業競争力の一つとして位置づけることが必要です。

 しかしそこに至るには、女性自身の働く意識、組織の中でのキャリア形成の道筋、教育の機会等、取り組まなくてはならない課題も多く存在します。

 経営者の皆様には、来たるべき「労働者人口の減少」に備え、これからの時代を見据えた採用戦略、人材活用戦略に、是非とも知恵を絞って頂きたいと思います。(了)

(記事提供者:アタックス 北村 信貴子)