全国の企業がメーンバンクとして取引している金融機関について、都市銀行は三菱東京UFJ銀行、地方銀行は北洋銀行がそれぞれトップであることが、帝国データバンク(TDB)の調べで明らかになりました。

 今回の調査はTDBの企業概要ファイルに登録されている約140万社を対象に実施されたものです。それによると、全国トップは3年連続で三菱東京UFJ銀行。調査対象となった企業のうち、同行と取引のある企業数は10万3606社となり、全金融機関の中で唯一10万社を超えましたが、全国シェアは7.38%で前年より0.16ポイント減少しています。2位は三井住友銀行で8万306社、3位はみずほ銀行で6万429社、4位はりそな銀行で2万9830社でした。いずれも全国シェアが下がっており、〝メガバンク離れ〟の実態が浮き彫りになる結果となっています。

 一方、地方銀行では、第二地銀の北洋銀行が2万4022社で第5位、地銀の千葉銀行が1万9608社で第6位となり、それぞれの業態でトップとなりました。北洋銀行は北海道で昨年に引き続き1位となりシェアも増加していますが、北陸地域では第四銀行に首位を明け渡しています。また、信用金庫では45位の京都中央信金、信用組合では100位の茨城県信組が各業態の1位となっています。
 第2地銀、信用金庫、信用組合が昨年よりシェアを減らす中、地方銀行は0.12ポイントの増加となり、地域に密着した地銀の存在感を見せつけています。

 今後も企業との安定した取引関係を維持したい金融機関ですが、3月に期限を迎える金融円滑化法をめぐって、現在返済猶予中の企業にどういった態度で臨むのかが重要課題となっています。TDBでは「企業側には経営再建計画の速やかな遂行が求められ、金融機関側もどのタイミングで回収を実行していくかが焦点となる」との見方を示しており、リスケ中の企業と金融機関はこれから大きな正念場を迎えることになりそうです。
<情報提供:エヌピー通信社>