「本業よりも不動産投資に力を入れたい」と、アパート・マンション経営が軌道に乗ることを夢見るひとは多いかもしれません。ですが、賃貸物件の空室率の全国平均は約20%で、満室にするためにはさまざまな工夫が必要です。入居者の入れ替わりによる各種手続きや建物の維持管理などにも気をつかわなければなりませんし、家賃を滞納する借主が出てきてしまえば、煩わしいことも増えてしまいます。

 部屋を賃貸したことで受け取る家賃、地代、更新料などは、不動産所得の総収入金額に算入することになります。この家賃等の計上時期についてはいくつかの決まりごとがありますが、家賃滞納が発生した場合はどのように処理をすればいいのでしょうか。
 家賃は一般的に「月末までに翌月分を支払う」などと、支払期日が定められています。その場合、定められた支払日が収入として計上する時期になります。たとえ家賃滞納があってもその原則論は変わらず、家賃相当額をその年の総収入額に含めて計算することになります。一方で、支払時期が定められていない場合は、実際に支払いを受けた日が計上すべき時期になります。ただし、「請求があったときに支払うべき」と定められているときは、請求した日が計上時期になります。エレベーターや屋外灯など共用部分のために支出する共益費についても、家賃と同様の扱いになっています。

 権利金や礼金は、貸し付ける資産の引き渡しを必要とするものは引き渡しのあった日、必要としないものは契約の効力発生日の収入に計上します。名義書換料や承諾料、頭金などの名目で受け取るものも同じ扱いです。
 敷金や保証金は本来「預かり金」としての意味合いがあるはずですが、長年の慣習から返還が必要ないこともあります。その場合は預かり金ではなく収入になりますので、返還が不要であることが確定した日にその金額を収入に計上しなくてはなりません。
<情報提供:エヌピー通信社>