長年、会社に貢献してくれた従業員を表彰する永年勤続者表彰制度。こうした制度を実施している会社では、表彰に際して記念品を支給するケースも多いようですが、品物によっては課税対象となってしまうこともあるので注意が必要です。

 永年勤続者に支給する記念品や旅行、観劇への招待費用は、①その人の勤続年数や地位などに照らし合わせて、社会一般的にみて相当な金額以内であること②勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること③同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔が空いていること――の要件をすべて満たしていれば給与課税しなくてもよいこととされています。
 しかし、記念品の支給や旅行や観劇への招待費用の負担に代えて現金、商品券などを支給する場合は要注意。換金性のあるものは実質的に金銭を支給したことと同じになるため、原則としてその全額が給与課税の対象となります。

 また、対象社員に一定金額内で自由に品物を選択してもらい、希望の品物を会社が購入するケースも同様です。記念品となる品物を自由に選択できる場合、使用者から支給された金銭で購入したのと同様の効果が認められるので、記念品の金額の多少に関わらず給与課税の対象となります。
 ただし、旅行券に関しては特に取り扱いが定められていて、一定の要件を満たせば課税対象にはなりません。その要件とは、旅行の実施が旅行券の支給後1年以内であること、旅行の範囲が支給した旅行券の額からみて相当なものであること、旅行後に所定の報告書等を会社に提出すること、支給後1年以内に旅行券を使用しなかった場合は会社に返還すること――などです。
<情報提供:エヌピー通信社>